――空気の質が見えるというのは、ブルーエアの最新モデルで実現したことですね。売上にも貢献しているのでしょうか
新製品の「Blueair Classic」シリーズは、PM 2.5、VOC(揮発性有機化合物)、温度などを検知する5つのセンサーを内蔵。同社のクラウドサーバを介して専用アプリ「Blueair Friend」(iOS/Android)で空気の状態を確認できる
リトリ氏:はい。既にわれわれのアプリでは屋内に加えて屋外の空気の状態を確認できますし、売上に対してもまちがいなくプラスになっています。例えば「AIR VIEW」という「Google Street View」を利用したソリューションがあります。
――これは面白いですね。日本でも使えるようになりますか?
リトリ氏:欧州などではすでに使われていて、日本でも使えます(日本語化はされていない)。また、まもなく発表する無料サービスも新たに展開していきます。
――IoT(Internet of the Things)を使って空気を可視化するのは便利ですが、当然コストがかかります。製品の収益だけで回収するのは効率的ではないと思いますが、例えば空気清浄機で得たビッグデータを使ったビジネスなどは考えていないのでしょうか?
リトリ氏:パートナー企業と情報を共有し、センサー開発などのサポートをしています。質の高いセンサーが開発されることはわれわれの利益にもなるからです。また、空気の品質を可視化するプラットフォームを作り、データもとっています。地元スウェーデン企業はもちろん、グローバル企業とも一緒にやっていますが、ビジネス的にはまだまだお話できるような段階ではありません。
空気清浄機は単機能であるべき
――日本は加湿器と空気清浄機を合わせた加湿空気清浄機が強い市場です。ブルーエアは単機能にこだわっていますが、なぜでしょう
リトリ氏:加湿器は水を使います。そして水とバクテリア(細菌)の増殖は非常に関係が深い。そうした意味でも空気清浄機は単機能であるべきと考えています。加湿したいときには別にスチーム式の加湿器を使うほうが良いと考えています。
ブルーエアのフィルターは、ひだ状の部分を広げると18mほどになります(Blueair Classic 680iの場合)。この表面積は競合他社と比べるとかなり広く、非常に効率が高く吸着する性能を持っています。常に空気をきれいにしたいなら、汚いフィルターをだましだまし使い続けるより、ある程度の頻度できれいなフィルターを交換しながら使い続ける方が絶対いいですよ。
ーー日本の空気清浄機にはフィルター交換が10年不要という製品もありますが、それについてはどう思いますか?
リトリ氏:「あなたはベッドのシーツを10年も交換せずに使いますか?」と問いたいですね。日本はとくに衛生レベルが高く、意識も高いので、フィルターを交換することの意味は理解してくれると信じています。
――ブルーエアは昨年からユニリーバの傘下に入りました。ビジネス面で影響や変化はありましたか?
リトリ氏:ブランド自体は独立したままで、われれわの目的や方針に変化はありません。一方でユニリーバはコンシューマー市場を熟知しているので、製品流通や販売の面でサポートしてほしいと伝えています。
――流通面の強化は大きなメリットですね
リトリ氏:これまでは在庫を多く持つことができなかったため、欠品が出ることもあったのですが、現在は潤沢な在庫を持つことができ、製品を求める方にスムーズに届けられるようになりました。今後も一緒にチャレンジして、新しい市場を作りたいと考えています。
――ありがとうございました
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