良い意味で普通になりました(外観のみ)
そんなクラッシャーですが、実はワイヤレス版が追加されます。Bluetooth 4.2対応の「Crusher Wireless」(クラッシャーワイヤレス)は、デザインが随分と大人しくなり、文字通り大人でも使えそうな雰囲気。とくにブラックはスカルマークもグレーになって控えめ。誰が装着していても普通のワイヤレスヘッドフォンにしか見えません。
内蔵のダイナミックドライバーは40mm径となり、合わせてクラッシャーユニットも新開発。反応する周波数帯を45〜75Hzに広げ、揺れ方の強弱も幅が広がりました。例えるなら、クラッシャーはバスドラムにだけ反応するけど、クラッシャーワイヤレスはそれに加えてタムやギターのベースにも反応するといったイメージ。まあ、実際にはそんな単純ではありませんが、要するに振動する場面が増え、分かりやすく強弱がつくわけです。
さらに従来のクラッシャードライバーは左右にあっても同じ動き方をしていた(=モノラル)のですが、今回はステレオ化を実現。左右の音声信号に個別に反応します。オーディオ・ビジュアル的にいえば2.2ch仕様ですかね。
音質面では、特殊な低音を除けば意外と普通。低域が膨らんでドコドコ&ボワボワするのは本当に好き嫌いが分かれるところですが、従来機同様に調整できますし、音楽の重低音再生以外にも面白い使い方ができます。
例えばスマホで見る動画。クラッシャーワイヤレスなら、Youtubeのどうでもいい動画やいらないCMも無駄に大迫力で楽しめます。ゲームも同様で、「Pokemon Go」などは起動直後から一大スペクタクル。ポケストップを回すという行為が大冒険に変わります。まあ、すぐに慣れますけど。
一番気に入ったのは、huluやNetflixで映画や海外ドラマを見るときに使うこと。映像コンテンツなら常時激しく揺れるわけではありませんし、逆に盛り上がるシーンにはBGMやSEが入るため、クラッシャーワイヤレスが揺れて一緒に盛り上げてくれます。正直、音楽用として売るより、「映画向きの2.2chヘッドフォン」のほうが適しているんじゃないかと思えます。
クラッシャーやクラッシャーワイヤレスがヘッドフォンとしてイロモノであることは間違いありません。でも、突き抜けたイロモノはマニア以外の人の心にも響くもの。とりあえず面白い製品であることは間違いありません。
もう1つ重要なのは、やはり従来のクラッシャーに比べてデザインが普通になったこと。ブラックのほかにホワイトもあり、モバイル環境でも映画を楽しみたい人はもちろん、おっさんだけど重低音大好きという人でも安心して使えます。
クラッシャーワイヤレスの発売は4月7日。週末から店頭で展示が始まるらしいので、興味のある方は試聴してみてはいかがでしょうか。きっと震えますよ(文字通りの意味で)。
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