バブルが続く中国市場――上海人の3割は株取引で副収入

» 2007年05月16日 21時06分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 上海で働く人の6割の人が現在の収入に不満を持っている。収入を増やす方法として人気なのは、「転職」と「投資」が多く――リサーチ結果からは、雇用環境が売り手市場であることと、中国株式市場の過熱ぶりが浮き彫りになった。

 日本総合研究所と楽天リサーチは5月15日、「上海で働く人たちの収入・消費に対する考え方調査」の結果を発表した。楽天リサーチに登録しているモニター約35万人から、上海で働く男女300人のデータを集計した。月収は3000(約4万7000円)〜4999元(約7万8000円)が1番多く44%、次いで5000(約7万8000円)〜6999元(約11万円)が20%。調査期間は4月6日から4月12日まで。

6割以上の人が収入に不満

 回答者の63%の人が現在の収入に不満を持っている中、全体の70%が副収入を得ているという結果が出た。株取引では38%の人が収入を得ており、所得水準で見ると、高所得者の多さが目立っている。富裕層が株取引や不動産投資で収入を増やしていることが社会問題にもなっていて、報告書では「経済格差がますます広がる要因になっている」と指摘している。

転職と投資で収入を増やす

お金があれば投資へ

 消費については普段は倹約をするが、欲しいものは計画的にお金を貯めて買う人が多いという結果になった。「仮に100万元(2007年4月現在で約1500万円)あったらどのように使うか」という質問には、約半分の人が「投資」であった。この結果でも投資意欲の高さがうかがえた。

100万元あれば投資、次いで家などを購入する

 一方で、「貯蓄」と回答した人は、わずか3%。「投資はあたかも利回りのよい貯蓄であるかもしれない」と報告書では推測している。

 今後、消費を増やしていきたいと思う項目では、「健康に関連する費用」が76%で最も多かった。病気予防のために、お金をかけるのはいとわない、と思う人が8割を超えるなど、健康に関連した消費が注目されているようだ。

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