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» 2007年06月27日 19時11分 公開

インターネットバンキングの被害件数100%増、その理由は?

インターネットバンキングの被害件数が急増、その一方で偽造キャッシュカードの被害は減っている。被害を補償しなければならない金融機関は、“本物”か“なりすまし”か見極めることが難しいようだ。

[土肥義則,Business Media 誠]

 金融庁は6月26日、「偽造キャッシュカード等による被害発生」状況を発表した(参照リンク)。各金融機関からの報告をもとにまとめたもので、2006年度のインターネットバンキングの犯罪件数は、対前年度から倍増の98件に達した。盗難キャッシュカードや盗難通帳の被害件数には大きな変化はなかったが、偽造キャッシュカードは41%(同)減の531件だった。

 インターネットバンキングの被害件数が急増した理由について金融庁は「利用者が増えていることが挙げられる。また被害に遭った原因が分からないケースが最も多く、それが問題だ」と指摘した。このほかファイル交換ソフト「Winny」などによって預金者のパスワードを入手し、不正に預金を引き出す事例や、フィッシング詐欺によって個人情報などを盗むケースも多い。

インターネットバンキングの被害件数は倍増した

 偽造キャッシュカードの被害が減少した背景には、偽造が難しいICキャッシュカードの普及がある。「現在、8割の金融機関がICキャッシュカードを導入している。セキュリティ強化を図った効果が出ているようだ」。さらに被害額も大幅に減少している理由には「ここ数年、多くの金融機関が1日の引き出し限度額を引き下げてきた。そのため被害額が減少している」と分析する。

本当に被害に遭ったのか、なりすましか

 インターネットバンキングで被害に遭った場合、金融機関からの補償は対前年度比6.4%減の67.5%だった。金融機関が補償するかどうかは、2006年2月に施行された「預貯金者保護法」に基づいて対応している。偽造や盗難などによって不正に預金を引き出された被害者に対し、原則として金融機関は補償しなければならない。

インターネットバンキング被害に対する金融機関の補償状況

 例えば新生銀行では5月から、金融犯罪を防止するため「セキュリティカード」を導入し、ログイン方法を変更した。このほか多くの金融機関でもインターネットバンキングのセキュリティ強化に取り組んでいる。ただ大手銀行の関係者は「本当に被害に遭ったのか。それとも“なりすまし”ているのか。判断するのが難しい」と本音を漏らす。

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