著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)
有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。
「とりかえしつかないことの第一歩 名付ければその名になるおまえ」と詠(よ)んだのは俵万智さんである。社会全体に、とりかえしのつかない第一歩を踏み出したようなネーミングが氾濫(はんらん)していると感じているのは、どうも私だけではないようだ。
先週の『週刊文春』4月23日号には、「先生が名前を呼べない子供たち」という特集が組まれていた。最近の女の子も男の子も、読めない名前が増えてきた。その名付けの変化は、ここ10年劇的だと言うのだ。
その記事の中で、個人的に気になった子どもの名前ベスト5は以下の通り。
男の子の名前
和源→わーげんくん、天使→みかえるくん、英雄→ひいろくん、強運→らっきいくん、沙風→さあふぁくん
女の子の名前
愛声→あのんちゃん、絆→はあとちゃん、樹里亜菜→じゅりあなちゃん、楓→はいじちゃん、美海→まりんちゃん
ちなみに、明治安田生命が毎年発表する「名前ランキング2008」のトップ3は
男の子の名前
大翔→ひろとくん、はるとくん
悠斗→ゆうとくん、はるとくん
陽向→ひなたくん、ひゅうがくん
女の子の名前
陽菜→ひなちゃん、はるなちゃん
結衣→ゆいちゃん
葵→あおいちゃん
このベスト3も、そもそも読むのが難しい。「名前ランキング2008」には、さらにこんな名前も紹介されている。
奏人→タクト、光舞→テルマ、月→ライト、獅人→レオト、大虎→タイガ、星穏→シオン、遥空→ハルク、琉煌→ルキヤ、怜音→レイン、瑠楓→ルカ、望来→ミライ、伶音→レノン、來夢→ラム、心暖→シノン、煌羅→キラ
と、きりがない。何でもありだ。珍しい名前をみんなで評価するサイト「DQNネーム」には4月20日に、こんな名前が新しく登録された。流楽→るんら、愛々→なな、桜心→ももね、詩映愛→しえら、洛→りいち、美心菜→みふぁな、翔飛→しょう、肇陽→はっぴ、綺麗麗→きらら、宙大→ゆうだい。これでは、一見では、絶対に読めない。先生って、大変だなあ。今日も、読めない名前がどんどんと増えているのだ。
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