米国株高やSQに絡み買い先行で始まり10000円を抜けたあとも、持高調整も買いも多く、大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月12日 15時16分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 予想以上に強い相場となっています。米国市場が堅調だとか、中国の経済指標が好調などと言うこともあるのですが、日経平均が10000円を超えたことで達成感が出ると思っていた向きが多いだけに底堅さが見られることから、買い戻しを急がせることになったものと思います。目先的な需給要因が上昇の要因なのでしょうがそれだけ買い方の回転も効いているということではないかと思います。

 5月の連休前から週末の手仕舞い売りというものが見られなくなって来たようです。逆に手仕舞いの買い戻しが多く、指数を意外なところで押し上げることが多いのではないかと思います。先物主導ということなのでしょうが、先物以上に信用取引での所謂「空売り」も以前に比べて使う人が多くなったことも要因ではないかと思います。

 一昔前は「空売り」と言うとほとんど「プロ」のような投資家が行うもので個人の取引ではあまり行われなかったのではないかと思います。しかも信用取引自体がある程度の資産を持っていないと出来ないシステムで合ったのです。同様に先物も「普通の」人が出来るものでもなく、一部の個人投資家が参加しているだけで、いわば「プロ」の中での売買だったのです。

 誰でも気軽に指数を売ったり買ったり、空売りをすることが出来るようになって、相場が下がりそうなときにも「株を買わない」という選択肢だけではなく、積極的に「売る」ということが出来るようになったのです。とても良いことだと思われ、収益チャンスは広がったものと思いますが、それだけに使い方を誤らないようにしたいものです。積極的に「売る」にしても「買う」にしても思惑と反対の方向に行ってしまったときのことを考えておいた方が良いことには変わりないのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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