LEAFにランドグライダー……“ゼロ”を約束するクルマが続々、日産自動車東京モーターショー2009(1/2 ページ)

» 2009年10月22日 20時06分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
EV車「LEAF」に乗車するカルロス・ゴーン社長兼CEO

 トヨタ自動車のプリウス、ホンダのインサイト、三菱自動車のi-MiEV(アイ・ミーブ)といったエコカーが販売される中、日産自動車の商品ラインアップにエコカーはまだ存在しない。かねてより日産は「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)車で世界のリーダーになる」という目標を掲げていたため、「エコカーの販売はまだなの?」と待ちわびている人も多かったのではないだろうか。

 そして日産は今回の東京モーターショーで、EVのラインアップを発表。その第1弾が「LEAF(リーフ)」だ。LEAFは2010年度後半に日本、北米のみならず、欧州でも販売される予定。カルロス・ゴーン社長兼CEOは「(LEAFは)日常で使用でき、さまざまな面で“ゼロ”を約束するクルマ」としている。

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LEAFの価格は?

 自動車業界ではいま、“お値打ち感”がキーワードになっていると言っていいほど、価格破壊が進んでいる。トヨタが約5年ぶりに全面改良した新型「マークX」は、最も安いタイプの価格を旧モデルより10万円ほど引き下げた。またプリウス(205万円〜)やインサイト(189万円〜)がヒットした要因の1つにも、お値打ち感が挙げられる。

 LEAFの価格は2010年末に発表する予定だが、「Cセグメントの車両と同等の価格競争を持たせるつもり」(説明員)という。Cセグメントとは、トヨタのカローラやホンダのシビックといったスタンダードカーやコンパクトカーに相当する。価格は100万円後半から300万円台クラスとなるが、EV車でそこまでの価格に抑えることができるのだろうか。ゴーン社長は「世界初の手ごろな価格のゼロ・エミッション車として、自動車産業で大きな話題になるだろう」としているが、もっともこれは国や自治体などの補助金や税制優遇措置を利用した場合の話。「実際には300〜400万円台」といった声も聞かれるが、価格次第では大きな注目を浴びそうだ。

2012年に量販体制

 LEAFのバッテリーは、日産とNECグループの合弁会社・オートモーティブエナジーサプライ社が製造。高性能のラミネート型リチウムイオンバッテリー(90kW超)と電気モーター(80kW/280Nm)を床下に配置して、5人乗りの居住スペースを確保した。航続距離は1回のフル充電で160キロメートル以上。ガソリン車だと、満タンで500キロほど走行できるため、「フル充電で160キロメートルしか走行できないEV車は不安」といった人も多いのでは。しかし日産がドライバーの1日の走行距離を調査したところ、80%以上が100キロメートル以下という結果が出た。「LEAFの航続距離は160キロメートル以上なので、日常で利用する分については家での充電でカバーできる」(説明員)としている。

 またボディから突き出たヘッドランプは気流を分散して、風切り音と空気抵抗を低減する効果を実現。LED式のヘッドランプが消費する電力は、従来のヘッドランプの約半分で、航続距離に与える影響を抑えたという。

LEAF(左)と2人乗りの超小型EV「ランドグライダー」(右)

 LEAFは2010年初旬から日本、米国、欧州で予約を受け付け、2010年後半に販売を開始。そして2012年には量販体制に入るという。

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