引き続き円高となっていることやドバイの資金繰り問題が浮上して売られ大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年11月27日 16時06分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 為替の波乱に加えてドバイの資金繰り危機が伝えられ大幅下落となりました。米国市場は休場となったことで、その影響を見極めたいということや昨日までの相場でも既にある程度下落していたこともあり、欧州市場ほどの下落とはなりませんでしたが、これだけ為替などが波乱となっても全く、手を出せない政府や金融当局に対する懸念は根強いものと思います。

 米国では金融緩和継続をはっきりと打ち出し、景気回復の持続を図っているのですが、日本ではそうした動きが政府からも金融当局からも出てきません。もちろん、無駄を排除し、弱者を保護することは大切ですが、それよりも先に、使えるお金を増やす、つまり、デフレから脱却するということも考えるべきではないかと思います。また、デフレが確認された国の通貨がこれだけ買われるということも考えてみればおかしな話で、デフレ脱却、円高に歯止めをかけるためにも機動的な金融緩和が望まれます。

 政策の混乱が市場の混乱となっており、株式市場に対しても感心が薄くなっているのかもしれません。選挙のための政治ではなく、実際に経済を立て直す必要があるのでしょう。政策面で期待出来ない状況、国内での経済の拡大が期待出来ない状況であれば、企業は海外に出て行くしかないと思います。新興国でのインフラ整備(ドバイのような「バブル」ではなく)などに注力して行けば、企業の成長も期待出来ると思います。

 新技術や成長が見込める海外での事業を拡大しているような企業に分があるものと思われ、今後も日本の「空洞化」は続くと思います。政策不在の国内では縮小均衡、小さなパイの奪い合いに終始することになり、それよりも成長が見込める新興国などにッ活路を見出すことになるものと思います。そして、そうした企業へ投資をした方が資金効率はいいのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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