友愛を掲げる鳩山総理だけに、強引な政権運営はやりにくいかもしれない。それに政治資金問題もまだ尾を引いている。検察の捜査が終了しても、来年の通常国会では自民党から追及されることは間違いない。しかし、だからこそ鳩山総理は右顧左眄(うこさべん)すべきではない。むしろ今は、政治的信念を高く掲げることによって、国民に訴えかけることこそ必要である。もしここで政権を維持することにきゅうきゅうとしてしまえば、国民は民主党政権に失望し、肝心の来年の参院選も危うくなってしまう。
もっと恐ろしいのは、自民党に失望した有権者が民主党にも失望してしまうことだ。そうなったら二大政党制どころか、政治的無関心が日本社会を支配してしまい、政治的にはただただ混乱ということにもなりかねない。そういう「空虚な時代」には、極端なナショナリズムが顔を出す危険性も高まるのである。
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