短縮取引で薄商いの中、好調な指標を受けて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年12月25日 08時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10520.10△53.66

<NASDAQ>2285.69△16.05

<為替:NY終値>91.55-91.61

短縮取引で薄商いの中、好調な指標を受けて堅調

 朝方発表された新規失業保険申請件数や耐久材受注の改善が見られたことが好感されて引き続き堅調な展開となりました。クリスマスの短縮取引と言うこともあって積極的な売り買いはほとんど見られず、持高調整が中心となりましたが、景気回復期待は根強く堅調となりました。「サンタクロース・ラリー」が商品市況にまで波及した格好で商品市場が堅調となったことも素材株などの買いにつながり、指数も堅調となりました。

 新規失業保険申請件数が予想よりも少なく、耐久材受注は予想は下回ったものの改善を示しているということが好感されました。センチメントが上向いていることで、好材料には敏感に悪材料には鈍い動きとなるということも、指数を押し上げる要因となりました。ここまでさえない展開が続いていた金融株などにも連休前の買い戻しも見られ、指数の下支えとなりました。「クリスマス」と言う特殊要因はあるものの市場のセンチメントは引き続き悪くないものと思われます。

 個別には原油や金など商品市況が堅調でアルコアやデュポンなどの素材株やシェブロン、エクソン・モービルといった石油株が高くなりました。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなども買戻しが入ってしっかりした動きとなり、インテルやHP(ヒューレット・パッカード)などハイテク銘柄が堅調、アップルは大幅高となりました。景気回復を織り込む格好でキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)なども高く、ほぼ全面高となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は円安や米国株高を受けて買い先行で始まり、その後も円安一服となったにもかかわらず一段高となりました。ハイテク銘柄を中心に輸出関連銘柄が堅調、医薬品株や食品株、電力株などディフェンシブ銘柄の一角も円キャリー取引の一環で買われ、堅調な展開となり指数も大幅高となりました。銀行株など金融株などが軟調となりましたが、大きく足を引っ張ることもなく強含みの展開となりました。

 本日も米国市場が堅調となったことや為替も落ち着いていることなどから買い先行となりそうです。出遅れ感の強い銘柄から買われることになるのでしょうし、週末ということで売られすぎた銘柄の買戻しを急ぐ動きなども見られるかもしれません。国内要因とすれば、政局の混迷は相変わらずですが、朝方CPI(消費者物価指数)や完全失業率が発表になり、更なる金融緩和期待が高まれば為替が円安に振れ、株式市場にとってはプラスに働く場面もあるかもしれません。海外市場が休場となるのも、売り急がなければならない要因がなくなったということで、好感されるのではないかと思われ、引き続きハイテク銘柄などを中心に堅調な地合いとなるものと思います。

 日経平均が節目と見られる10500円台に入ってきました。週末ということで上げ一服となるのかもしれませんが、10500円水準から600円のところでのもみ合いとなりそうです。上値は余裕を見ても10700円前後ではいったん押さえられてしまうものと思われ、再び10200円台での底堅さを確認することになり、当面10200円台半ばから10500円〜600円水準でのもみ合いとなるのか、10500円台を固めていよいよ11000円を目指すことになるのかが注目されますが、昨年と同様に1月に入るといったん上昇も止まり、調整となるかもしれません。

本日の注目点

◇1月の企業向けサービス価格指数(日銀)

◇11月の完全失業率(総務省)

◇11月の全国消費者物価指数(総務省)

◇11月の家計調査(総務省)

◇11月の住宅着工統計(国交省)

◇ジャスダック上場:一建設(3268)

◇クリスマスで欧米市場は休み

◇決算・3−11月期:高島屋(8233)、乃村工芸社(9716)

◇決算・6−11月期:宝印刷(7921)

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