芳しくない景気指標の発表を受けて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年02月24日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10282.41▼100.97

<NASDAQ>2213.44▼28.59

<為替:NY終値>90.21-90.27

芳しくない景気指標の発表を受けて軟調

 欧州の経済指標の悪化などから売り先行となったものの、住宅指標が予想ほど悪化しなかったことで堅調となる場面もありました。ただ、その後発表された2月の消費者信頼感指数が大幅に悪化したことから景気の先行きに対する懸念が強まり、売り急ぐ展開となって指数も大幅下落となりました。ダウ平均は消費関連銘柄に堅調なものも見られ下げ幅が限定されましたが、総じて軟調な展開でナスダック指数は大幅下落となりました。

 依然として雇用や個人消費が回復していないということを改めて認識したような格好です。新興国に牽引される形で景気が回復、企業ベースでは業績回復が見られるのですが、個人の消費やセンチメントまで回復しきれていないということでしょう。それでも、徐々に住宅指標などにも底入れの兆しが見られており、新興国の景気の落ち込みが見られるわけでもないことから「二番底」に対する懸念は少ないものと思われます。

 個別には予想を上回る決算や利益見通しに加え増配を発表したホーム・デポは堅調、フォード・モーターが大幅高、ディフェンシブ銘柄としてクラフトフーズやマクドナルドも堅調となりました。他は総じて軟調、景気敏感銘柄としてインテルやHP(ヒューレット・パッカード)、キャタピラーなどが売られ、商品市況が軟調となったことで、アルコアなどの素材株、ニューモント・マイニングなどの金鉱株、エクソン・モービルなどの石油株なども売られました。ダウ平均採用銘柄では大幅安となるものはなかったのですが、30銘柄中27銘柄が軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は前日の大幅高の反動もあり、また、米国市場が軟調、為替も円高となったことから売り先行となり、軟調となりました。一時大きく下落する場面もあったのですが値ごろ感からの買戻しや売られ過ぎの修正などもあり、また、外国人が買い越しと伝えられたことや円キャリー取引なども見られたことから軟調ながらも底堅い展開となりました。インターネット関連銘柄や海運株など堅調なものも見られました。

 米国株が軟調、為替も円高と言うことで輸出株を中心に売られそうです。ようやく戻り歩調となるかと思われましたが欧米の景気回復が依然として先行き不透明であり、積極的に買い上がる動きは期待できそうにありません。ここのところの円安傾向を好感するように、また、足元の業績が好調ということで買われていた銘柄などは利益確定売りや見切売りも嵩むかもしれません。欧米の景気に敏感なハイテク銘柄や商品市況安を受けて商社株なども売り急ぐ動きが出てくるのではないかと思います。

 日経平均は再び下値の節目と見られる10100円台半ばから200円台半ばの水準での底堅さを確認することになりそうです。一昨日の上げ幅を昨日と本日の2日で再び下げてしまうのかどうかが注目されます。今後もますます上値も重くなるものと思われ、大きく円安に振れるというようなことがないと10500円から600円水準の節目を抜け難くなってしまったのではないかと思います。企業業績の先行きに対する不安が募ると節目を割り込み、10000円水準も割り込んで下値を試すことになりそうです。

本日の注目点

◇1月の貿易統計(財務省)

◇1月の企業向けサービス価格指数(日銀)

◇1月のパソコン国内出荷(電子情報技術産業協会)

◇バーナンキ米FRB議長が下院で議会証言(上院は25日)

◇1月の米新築住宅販売

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