M&Aの話題や商品相場高などから堅調だが上値は重い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月03日 08時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10405.98△2.19

<NASDAQ>2280.79△7.22

<為替:NY終値>88.79-88.85

M&Aの話題や商品相場高などから堅調だが上値は重い

 ハイテク銘柄の増配の話題や素材株のM&A(買収・合併)の話題に加え、ハイテク銘柄への投資判断の引き上げなどもあって堅調な始まりとなりました。ただ、雇用指標の発表などを控えていることなどから利益確定売りも嵩み、指数は小幅高に止まりました。景気回復期待と「出口戦略」に対する懸念が入り混じって、最後まで買い切れず、早め早めに利益を確保しておこうと言う動きは日本と同じような感じです。

 新車販売台数も堅調で、足元の景気回復を確認するような動きとなりましたが、逆に金融緩和の「出口戦略」に対する懸念が強まり、利益確定売りや戻り売りを急がせる結果となったものと思われます。一方で欧州での金融不安の波及を懸念する動きは弱まっており、信用収縮懸念が薄れて商品相場などにも資金が戻る傾向となったものと思われます。着々と「出口戦略」を織り込む動きとなっているようです。

 個別には原油価格の上昇にも関わらずエクソン・モービルやシェブロンは小幅高に止まり、上値の重い展開となりましたが、金価格の上昇を素直に好感し、パブリック・ゴールドやニューモント・マイニングは堅調となりました。バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースは金融不安は薄れたものの軟調となり、GE(ゼネラル・エレクトリック)は小幅安、ウォルマートは軟調となるなど主力銘柄は利益確定売りもあって上値の重い展開となりました。投資判断が引き上げられたデルは堅調となりましたが、インテルは利益確定売りに押されました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高を受けて買い先行となったものの、腰の据わった買いも少なく上値の重さを確認すると軟調となる場面もありました。ただ、逆に軟調となる場面では底堅さも見られ、ハイテク銘柄などが買われて指数も堅調となりました。業績回復を織り込むように底堅さは見られるものの、先行き不透明感は根強く、最後まで買い切れないということなのでしょう。

 米国市場も小動きとなり日本市場もますます方向感のない展開となりそうです。為替が再び対米ドルでも円高に振れたことからハイテク銘柄などには利益確定売りも嵩んでくるものと思われ、指数の上値は重くなりそうです。自動車株などは米国での販売も順調な回復を見せており、底堅い堅調な展開が期待出来そうです。金価格や原油価格も堅調なことから信用収縮懸念はなく全体に売り急ぐ動きにはなり難いと思われます。また、商品市況が堅調なことで資源エネルギー関連銘柄や非鉄株なども堅調となりそうです。

 狭い範囲でのもみ合いが続いていますが、引き続き方向感のない狭い範囲でのもみ合いが続きそうです。先週木曜日の値幅である10100円から10250円の中での動きとなっており、これまで節目と見られた水準でのもみ合いが続いていることになります。この範囲を上下どちらに抜けるかが注目されますが、抜ければ大きな動きとなるものと思われます。ただ、当面は上値は10500円から600円、下値は9800円から900円と言う範囲での動きと見ておいて良いと思います。

本日の注目点

◇1月の毎月勤労統計調査速報(厚労省)

◇東証マザーズ上場:アニコムHD(8715)

◇米地区連銀経済報告(ベージュブック)

◇欧州委員会が新成長戦略「欧州2020」を発表

◇2月の米ISM非製造業景況感指数

◇決算・5月〜1月期:アインファーマシーズ(9627)

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