『サマーウォーズ』サイバーテロと『サブウェイ123 激突』ハイジャックテロ、どっちが嫌か?映画でポン!(1/2 ページ)

» 2010年03月12日 08時00分 公開
[櫻井輪子,Business Media 誠]

わこちん(左) 映画好きの絵描き。『時かけ』では千昭に萌えたオタク。結構突っ込み。

佐々爺(右) 映画好きのオヤジ。ちらりズムについては一家言あるらしい。口からでまかせだけで生きている。意外とボケ。


佐々爺(以下佐々) 『サブウェイ123 激突』観たか? ニューヨーク地下鉄の車両が発進する時、京成線の赤い電車と同じ発進音がしてたぞ!!

わこちん(以下わこ) いきなり出たよ、鉄……。何、今回はそれだけで『サブウェイ123 激突』支持? あ、読者のみなさん、こんにちは。「映画でポン!」2回目は『サマーウォーズ』と『サブウェイ123 激突』の対決です。

佐々 夏休みアニメ大作とハリウッドアクション。ずいぶん無理のある組み合わせだな、おい。この2作でどっち借りるか迷う人なんかいるか?

わこ また、「みんなちがって、みんないい」(by 金子みすず)みたいなこと言わないでよ。『サマーウォーズ』が全部貸し出し中だった時のためってことで。

佐々 そんなひどい……。でも、わしはいつだってオヤジの味方。地下鉄職員のガーバー(デンゼル・ワシントン)と地下鉄車両乗っ取り犯のライダー(ジョン・トラボルタ)の対立、リアル世界のオヤジたちの行き詰まる攻防の方が、バーチャル世界の戦いより分かりやすいもん。交渉人のガーバーがライダーの言葉尻をとらえて人間性を割り出していくさまとかゾクゾクしちゃうもん。

わこ あー、あんたアナログだもんね。

佐々 乗客を人質に取られたガーバーがわいろをもらったことを告白させられちゃったりとかさ、「今までそれなりに汚れたことも受け入れてきました」って感じのオヤジたちのくたびれた雰囲気もグッとくるんだよなー。身代金を要求された市長も事件に関係ない不倫問題なんかを追求されちゃったりして、くたびれオヤジの仲間入りだし。あ、そーいや、ガーバーがもらったわいろは日本の企業からのものだったよな、京成線の赤い電車と同じ車両を輸入したんじゃなかろーか?

わこ あんたが赤い電車が好きなことはよく分かったよ……。それにしてもさー、ニューヨーク警察、身代金を運ぶに当たって事故り過ぎだろ? いくら時間がないとはいえ。

佐々 あれはいいの! あのニューヨーク市街を金を運んで疾走する部分はリドリー・スコットの弟、トニー・スコット監督が得意とするリズム感あふれる演出の一環として、ロケンローな感じで観ればゴキゲンになれるの! カメラワークもノリノリだもんね。

わこ ノリノリねえ……。地上のノリノリ感に比べると地下では結構ジメっとしてるよね。犯人のライダーの大企業とか役人に対する恨みがましい感じとか、取り戻せないかつての自分への憧憬とか、まー動機が分かりやすくていいけど。それに比べると『サマーウォーズ』の犯人はAI(人工知能)だから分かりにくいっつーか、思想がないから交渉のしようがないよな。

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