引き続き超低金利継続やインフレ懸念が弱いことを好感して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年03月18日 08時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10733.67△47.69

<NASDAQ>2389.09△11.08

<為替:NY終値>90.3-90.36

引き続き超低金利継続やインフレ懸念が弱いことを好感して堅調

 朝方発表された卸売物価指数(PPI)が5カ月ぶりに下落したことから景気回復が鮮明になる中でインフレ懸念が強まっていないとして好感され、買い先行となりました。商品市況が底堅く戻り歩調となっているのですが、投機的な動きが鳴りを潜め、インフレ懸念となっていないものと思われます。FRB(連邦準備理事会)議長の議会証言を受けていったん手仕舞い売りを急ぎ、上げ幅縮小となる場面もありましたが、基調は強含みで堅調となって、ダウ平均は2008年10月1日以来の水準で引けました。

 いわゆる「リーマンショック」時の急落の始まりの水準までようやく相場も戻して来ました。景気回復が確認される中で今後景気回復を織り込む、業績回復を織り込む動きと金融緩和の「出口戦略」が取り沙汰されそうなところですが、インフレ懸念は弱まっており、「業績相場」への移行がうまく行っていると見てもいいと思います。今後も「出口戦略」や新興国の金融引き締めなどで手仕舞い売りが嵩む場面もあるのかもしれませんがトレンドは上向いているようです。

 個別には収益見通しを上方修正したLSIが上昇、連れてインテルも堅調となりましたが、利益確定売りに押されてIBMやアップルは軟調となるなどハイテク銘柄はまちまちとなりました。この日相場を牽引したのはアルコアやデュポンなどの素材株で、アルコアは大幅高となりました。キャタピラーなど景気敏感株も堅調なものが多く、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースも高く、エクソン・モービルやシェブロンも原油高を受けて堅調となりました。引け後に好決算を発表したナイキは時間外取引で一段高となっています。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高を受けて堅調な始まりとなり、日銀の追加金融政策が示されると一段高、大幅高となりました。盛り上がりに欠ける展開ではあったのですが、持高調整の買戻しなども見られ、指数を押し上げ、大幅高となりました。外国人も買い越しと伝えられたことや為替が落ち着いていたこと、企業業績の回復が確認されつつある中での追加金融緩和ということで、好感する動きになったものと思います。

 米国市場が引き続き堅調なことや為替も落ち着いていることから日本市場も堅調な展開が期待されます。ただ、昨日の大幅高の反動もあり、また持高調整の売りがどこまで出てくるのかどうかがふたを開けて見なければ分からないような状況であり、昨日の相場で買い戻し一巡感が出てくる可能性もあり、上値も押さえられそうです。騰落レシオなどを見ても過熱感が強く、まだ週末前ですが3連休や決算を控えて買い難く、手仕舞い売りに押される場面もあるかもしれません。

 日経平均は10500円から600円の押し目を確認する場面もありそうです。一気に1月高値を抜けたとしても目先的な過熱感や「達成感」から利益確定売りや手仕舞い売りに押されてしまうのでしょうし、抜けなければ抜けないで失望感から手仕舞いを急ぐ動きとなるのではないかと思います。引き続き10800円から900水準が一旦は上値の目処であり、11000円を抜けてくるのは一旦押し目を確認して4月以降となるのではないかと思います。

本日の注目点

◇3月の金融経済月報(日銀)

◇2010年の公示地価(国交省)

◇1−3月期の法人企業景気予測調査(財務省)

◇2月の粗鋼生産速報(日本鉄鋼連盟)

◇東証、大証新規上場:Paltac(8283)

◇2月の米消費者物価指数

◇10−12月の米経常収支

◇決算・6−2月期:クスリのアオキ(3398)

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