人事異動の辞令が出た……そのときあなたはどうするべきか：吉田典史の時事日想（3/3 ページ）

[吉田典史，Business Media 誠]

　もちろん、マイナスの面も早急に改めるべきではあるが、なかなか治らないだろう。むしろ、プラス面をアピールした方がいい。その方が、競争社会で勝つためには現実的であるからだ。

　一旦「仕事への姿勢がとてもいい」といった評価が付けられたら、どうかそれを大切にしてほしい。例えば、会議や取引先との折衝などの場でも盛んにそれを意識し、行動をとろう。自分の評価を意識し、それを演出した行動をくり返しとれば、周囲はあなたのことを「仕事への姿勢がとてもいい」と思うものなのだ。

　そうすると、数年後、違う部署に移るときにはその評価が一段と固まり、ブランドとなり、活躍の場が広がっていく。人事異動の時期だからこそ、こういった評価のカラクリを踏まえた言動を取ることができるようになろう。会社の仕組みを心得ている会社員が、最後には勝つのだから。

会社は“油断できない”

　また異動辞令の文書を渡されたら、それをきちんと保管しておこう。不幸にもリストラやセクハラなどで会社と争うときに、相談する弁護士や労働組合に見せる必要があるかもしれないからだ。

　一部の会社は、争いの場で「そのような異動はしていない」と白々しい嘘をつくことがある。会社で文書を保管するのではなく、きちんと自宅で管理しておこう。特にリストラのときは、会社はどんなことでもしてくる。油断はできない。それが、会社だ。