米国市場は軟調だが、持高調整の買いを急ぐ動き、先物主導で大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年04月01日 17時11分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 11244.40円 △154.46円
売買高 23億6782万株
日経平均先物 11230円 △130円
売買代金 1兆8654億円
TOPIX 985.26 △6.45
値上がり銘柄 947銘柄
東証マザーズ指数 455.17 △4.67
値下がり銘柄 576銘柄
日経ジャスダック平均 1276.14円 △0.88円
変わらず 146銘柄
騰落レシオ 149.55% △11.24%

日経平均

米国市場は軟調だが、持高調整の買いを急ぐ動き、先物主導で大幅高

 米国市場は過熱感もあって軟調となりましたが、新年度入りということで、持高調整の買いが見られ、寄付きから買い先行となりました。円安を好感してハイテク銘柄など輸出関連銘柄を買う動きもあったものと思います。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も買い越しと伝えられたこともあり、過熱感が強いにも関わらず、買い戻しを急ぐ動きなどもあり、堅調となりました。寄り付きの買いが一巡した後は利益確定売りに押されて上げ幅縮小となる場面もありましたが、値がさ銘柄などに買いが入り、値上がり銘柄数よりも値下がり銘柄数が多いにも関わらず指数が堅調となりました。

 後場に入ると一段高、大幅高となりました。為替は円高気味でしたが、特に材料視されず、持高調整の買いを中心に指数に影響の大きな銘柄が買われ、指数は大幅高となりました。大幅高となる段階でも値狩り銘柄数が値下がり銘柄数よりも少ない場面も見られ、先物主導、持高調整の買い、など目先の需給要因で指数を押し上げたものと思われます。ハイテク銘柄も特に材料が出たわけでもないにもかかわらず5%以上の上昇となるものなどが散見され、需給要因での押し上げが大きかったものと思います。さすがに最後は目先筋の利益確定売りや過熱感からの手仕舞い売りもあって上げ幅を若干縮小しましたが、大幅高と言う状況は変わりませんでした。

 小型銘柄もまちまちの中、大幅高となるものもあり、東証マザーズ指数は大幅高、日経ジャスダック平均は小幅高と、まちまちとなりました。小型銘柄が買われているというような状況ではなく、売り手控え気分の強い中でちょっとした買いに値を飛ばすものが散見されたということなのでしょう。先物はまとまった買いが断続的に見られ、指数を押し上げる要因となりました。特に何に反応したというよりも値動きの良さに目先筋が反応、ヘッジなども含めて売り方が買い戻しを余儀なくされたということなのでしょう。

 引き続き過熱感が強い中で、しかも特に買い上がる材料が出たわけでもないなかで大幅高となりました。買い戻しを急ぐ動きもあったものと思いますが、引き続き過熱感が強いことで、「どこまで買えるか」が注目されそうです。テクニカル指標などから見ると過熱感が強く目先的には割高と見られ、明日は米国での3連休を控えた、特に注目される経済指標の発表を控えた週末ということで、本来ならはヘッジ売りや手仕舞い売りが嵩みそうです。依然として売りやすいところだけに仕掛け的な買いや持高調整の買いに踏まされる可能性もありそうですが、本日の相場で買い戻し一巡となって来るのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 高く寄り付いたことで、堅調となりました。目先的な過熱感は引き続き強く、いつ調整となってもおかしくはないところです。RSIには若干上値余地もあるのですが、高値圏にあり、ストキャスティックスは高値圏にあり、移動平均線や基準線との乖離も大きく、過熱感が強いことから、そろそろ調整となりそうです。

TOPIX

NYダウ

 下ヒゲの長い形となり、「首吊り足」となる可能性があります。RSIには若干上値余地があるのですが、高値圏にあり、ストキャスティックスも高値圏にあって過熱感が強く、移動平均線や基準線からの乖離も大きく、そろそろ上値も重くなりそうです。明日の寄付きが軟調となると、「首吊り足」となって調整となるものと思います。

円相場

NYダウ

 1月高値を意識して上値も重くなっていましたが、抜けた感じです。RSIやストキャスティックスも高値圏にあり、以上平均線や基準線との乖離も大きく、ここからはまた上値も重くなりそうですが、押し目も転換線ではサポートされるものと思われ、底堅い強含みの展開が続くものと思います。

銘柄ピックアップ

特に材料のない中で高いものが多い

日 立(6501) 368 △19

 特に特別な材料が出たわけではないのですが、スーパーコンピューター事業の拡大に乗り出すと新聞で報じられたことや持高調整の買いが入ったことで、大幅高となりました。

三井物(8031) 1599 △28

 海外での原油や非鉄金属市況が堅調なことに加え、ブラジルの資源メジャーが権益を保有するリン鉱床開発プロジェクトに参画すると発表したことから肥料事業の拡大期待から買われて堅調となりました。

ミルボン(4919) 2195 △55

 コスモ石油(5007)が育毛剤を販売すると新聞で報じられ、共同開発先として業容拡大期待が高まって買われ、堅調となりました。

カシオ(6952) 710 ▼9

 デジタルカメラの収益回復の遅れ、強気な見方をしていることからの下方修正リスク、利益成長の材料に乏しいことなどから、外資系証券が投資判断と目標株価を下方修正したことや持高調整から総じて堅調な相場の中で軟調となりました。

神戸鋼(5406) 201 ±0

 小幅高で始まったものの、寄り付きの買い一巡後に利益確定売りや持高調整の売りに押されて上値が重くなりました。バーレーンで製鉄設備を受注したと発表、好材料に反応することなく売り優勢となりました。

蝶 理(8014) 114 △2

 中国の創薬支援会社と提携し医薬品関連事業を本格展開すると新聞で報じられ、収益拡大期待や値ごろ感からの目先筋の買いを集めて堅調となりました。

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