そしてギャラリー中央に設置されていたのがこの作品だ。
これはいわば、自画像を皮肉ったようなものだとクナス氏はいう。身体は半分が白、半分が黒に塗られており、黒い方の足には足かせが、白い方の足は虹色のデッキシューズを履いている。手に持っているのは割れたお面。季節は夏なのか秋なのか、とにかくいろいろな要素が混在している。しまいには、床には何かのラインが刻まれており、辿っていくとノコギリが。この人はどこへ落ちていくのだろうか。
大きな希望を持ったかと思えば落胆し、大笑いした後にふと哀しい気持ちになったり、女心となんとやらとはよくいったものだが、だいたいの人の心なんて変わりやすいもので常にカオスに満ちあふれており、コロコロと忙しいものだ。そんな当たり前のことに気付かされた展覧会であった。
しかも、これらの作品はほとんどが本展のために数カ月のうちに作られたというのだから、そのエネルギーにも圧倒される。ご本人も非常にパワフルな人であった。
「いわゆる感情的な作品とコンセプチャルな作品というのは、常に自分の心の極をなすもので、どっちかだけをやっていると絶対に飽きてしまう。だから常に天秤に乗っているんだ」
(c)Friedrich Kunath 2006-2010. All Right Reserved.
I used to be darker But then I got lighter And then I got dark again
Kaikai Kiki Gallery
東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1F
開催中〜6月12日(土)
open.火〜土 11:00〜19:00、日月休
Copyright (C) 1997-2014 Excite Japan Co.,Ltd. All Rights Reserved.
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