<NYダウ>9931.97▼323.31
<NASDAQ>2219.17▼83.86
<為替:NY終値>91.89-91.95
朝方発表された雇用統計で非農業部門の雇用者数が10年2カ月ぶりの大幅増となったのですが、市場予想を下回ったことや民間部門の雇用者数の伸びが前月から大幅に減少したことが嫌気されて売り先行となりました。欧州でも今度はハンガリーの財政問題が浮上、信用収縮の動きが進み、リスク回避の売りが嵩んで大きな下落となりました。G20での金融規制強化の流れを嫌気して手仕舞い売りを急ぐ動きもあり、週末の手仕舞い売りもあいまって大幅下落となりました。
予想を下回ったとは言っても雇用の改善は続いており、売り急ぐ場面でもなかったような気もしますが、信用収縮の動きが続いており、週末ということもあって手仕舞い売りにヘッジ売りが重なって大きな下落となったものと思います。経済指標や景気動向、欧州金融不安が取り沙汰されていますが、実のところどちらかと言うと金融規制強化の流れが嫌気されているものと思います。欧州での規制強化、米国での規制強化の動きに加え、G20でも金融機関に対する資本規制などが取り沙汰されて、リスク許容度が極端に低下したということなのでしょう。
個別には金融規制強化の流れもあって大型増資を発表したバンク・オブ・ニューヨーク・メロンが大幅下落、連れてアメリカン・エキスプレスやJPモルガン・チェース、シティグループなどの金融株が軒並み大幅下落、景気鈍化懸念からインテルやマイクロソフトが大幅下落、IBMやアップルも軟調となり、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)といった系便株やエクソン・モービルやシェブロンといった石油株も大幅下落となりました。コカ・コーラやウォルマートも軟調となり、ほぼ全面安となりました。
先週末の日本市場は米国株高や為替の落ち着きにもかかわらず前日の大幅高の反動もあり、売り先行となりましたそれでも週末の持高調整の中での買戻しもあり、底堅さも見られ切り返す場面もあり、方向感のない展開となりました。民主党の新代表が決まったことなどもほとんど材料視されず、週末の持高調整が中心となり、最後まで小動きとなりました。週末の米国市場やG20の結果を見極めたいということもあったものと思います。
週末の米国市場が大幅下落となったことから再び下値を試す展開となりそうです。信用収縮の動きが続いたことやユーロ安となったことからようやく戻り歩調となった輸出関連銘柄などを中心に売り直されることになりそうです。値ごろ感からの買いや売られすぎの修正で先週末まで堅調となっていた商社株なども商品相場が冴えない展開となったこともあって見切売りに押されることになり、指数も下値を確認することになりそうです。為替も大きく円高に振れており、輸出株を中心に見切売りも嵩むものと思われます。
9800円の節目水準での底堅さも期待されますが、シカゴ市場(CME)の日経平均先物が大きく下落となっており、次の節目と見られる9600円水準を目指すことになりそうです。本日のところは9600円水準で下げ止まるのかどうかが注目されることになりそうですが、景気の回復が金融不安を払拭することになるのか、金融不安が景気減速につながって来るのかはっきりするまでは9500円〜600円水準の下値、9800円〜900円水準での上値と言うような範囲での動きが続くのかもしれません。
◇5月の外貨準備高(財務省)
◇5月の携帯電話各社の契約件数
◇景気動向指数研究会(内閣府)
◇4月の米消費者信用残高
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング