<NYダウ>10409.46△4.69
<NASDAQ>2305.93△0.05
<為替:NY終値>91.43-91.49
朝方発表された住宅着工件数は予想を大きく下回り、鉱工業生産指数は予想を上回るという、経済指標は強弱まちまちの展開となりましたが、前日の大幅高の反動もあって売り先行、軟調な展開となりました。ただ、手仕舞い売り一巡後は引き続き金融不安や金融規制強化懸念が一段落となったことなどから底堅さも見られました。指数はほぼ横ばいとなりましたが、ハイテク銘柄の一角は堅調となるなど業績面で不安の少ない銘柄は堅調となりました。
悪材料への反応は鈍く、好材料にはしっかりと反応するような展開になって来ました。同時に業績面での不安の少ない銘柄に関しては売り急ぐ動きもなく、商品相場も堅調となっていることを見ると信用収縮、リスク回避の動きも一段落となっているものと思います。また、景気回復が手放しで好感されるほどではなく、新興国を中心とした「外需」に依存しているような状況なのでしょうが、金融不安からの景気減速懸念も薄れているものと思います。
個別には新型の高機能携帯電話の先行予約が好調と伝えられたアップルは堅調、鉱工業生産指数が予想を上回ったことでキャタピラーやスリーエムなど景気敏感株の一角が堅調、金融株も金融不安が薄れたことで、底堅い堅調なものが多く、アメリカン・エキスプレスやJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカなど堅調となりました。一方、ニューヨーク証券取引所での上場廃止を発表した米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は急落、利益見通市場予想を下回ったフェデックスや前日の大幅高の反動からアルコアなどが軟調となりました。
昨日の日本市場は米国株高やユーロ高を受けて買い先行となり、大幅高となりました。欧州金融不安や金融規制強化懸念が薄れたことで信用収縮が一段落、リスクマネーの回帰もあり売られすぎていた銘柄や割安感が強い銘柄の修正、買い直しが見られました。特に米国でもハイテク銘柄などが堅調となったこともあり、ハイテク銘柄などを中心に大きく買われ、指数を押し上げるような展開になりました。ただ、売買高も少なく、節目を抜けるような大幅高の割りには盛り上がりに欠ける展開でした。
引き続き為替が落ち着いていることや欧州での金融不安も一服、米国市場も底堅いことから日本市場も底堅い堅調な展開が期待されます。ここのところ大きく、一気に戻していることから、いったん上値が重くなると目先筋の利益確定売りに押される場面もありそうですが、逆にそれまでに売られすぎていた分の修正という面もあり、少なくとも底堅さは見られるものと思います。業績好調と見られるハイテク銘柄や商品市況の落ち着きから割安感が強い非鉄、商社株などは堅調となるのではないかと思います。
10000円の節目を抜けてきたことで10000円水準で下値固めとなるかもしれません。いわゆる「三空」という形で上げたことで「三空飛び上げには売り向かえ」ということになるのかもしれませんが、底値圏からの「三空」であり、上昇がいったん止まる可能性はあるものの、ここから一気に下落となる可能性は少ないと思います。10000円水準を割り込んでも9800円〜900円水準が今度は下値のサポートとなるものと思われ、10000円台を固めて上値の節目である10500円〜600円水準を目指すことになりそうです。
◇4月の景気動向指数改定値(内閣府)
◇1−3月期の資金循環統計(日銀)
◇スイス中銀政策金利発表
◇6月のフィラデルフィア連銀景気指数
◇5月の米景気先行指標総合指数
◇5月の米消費者物価指数
◇1−3月期の米経常収支
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