週末の米国市場が軟調にもかかわらず円高一服や持高調整の売り一巡感から堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年07月05日 16時31分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場は軟調となったのですが、円高一服となったことや持高調整の売り一巡感もあって堅調となりました。最近は米国市場の動向に影響されることも少なく、個別に目先の需給要因で動いているようです。景況感が好転、市場に対するセンチメントが好転したわけでもないのですが、米国市場が連休を控えておとなしい動きとなったことで、売られすぎ銘柄を見直す展開となったものと思われます。

 PER(株価収益率)、株価が一株当たり利益の何倍まで買われているかという指標であり、逆に言うとその会社の利益で株式を買っていけば何年で買えるかということになるものです。PERが高いと割高、低いと割安といわれますが、正確に何倍が割安で何倍が割高かなどと言えるものでもなく、その会社の業種や成長性などで高くても割高感が薄かったり、万年割安という水準にあったりするわけです。

 また、PBR(株価純資産倍率)という一株あたりのその会社の資産の何倍まで株価が買われているのかを示す指標もあり、1倍を割りこんでいるとその会社の資産よりも株価が安値ということで割安とされ、何倍も買われていると割高とされるのです。ただ、これも資産が今後目減りしていくような資産であれば(デフレであればほとんどの資産が目減りします)1倍を割りこんでいるからといって決して割安といわけでもないと言うことになってしまうのです。

 つまり、株価そのものもそうですが、こうした指標から見てもどこまでが割安で、どこまでが割高なのか、はっきりとしない面もあると思います。ただ、現在のように、収益や株価の変動の大きな小型株でもないにもかかわらず、これだけ大量の銘柄が割安とされるようなPERやPBRの水準にあるということは相場全体が割安となっている可能性が高いと思います。もちろん、今後景気の悪化などからPERが割安でなくなってしまうケースもあるのでしょうが、いくつかの「割安」とされる銘柄をまとめて買って置けば割安が是正される=株価が上昇するものが多く見られ、総じて堅調となって来るのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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