結婚相談アドバイザーに、記者の服装をダメ出しされてきた(2/3 ページ)

» 2010年08月10日 08時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

「ありのままの自分を分かってほしい」の普段着はNG

ツヴァイで会員たちのアドバイザーを務める棚橋やす子さん

 「女性は男性をトータルで見るので、見た目だけで決めるわけではありません」

 棚橋さんは、服装のアドバイスをする前にまず、そう強調した。だがもちろん、見た目が最重要ではないといっても、何を着てもいいというわけではないようだ。

 「服装に限らず、男性はよく『ありのままの自分を分かってほしい』という思いから、普段の生活の延長線上で婚活パーティに参加される方が多いです。でも、初対面は1回勝負なので、わざとらしく自己顕示するとまではいかなくても、自分の良さをうまくアピールしていくことが重要です。

 また、身だしなみを整えることは、結婚するかもしれない相手に会うかもしれないという時の敬意の表し方でもあると思います。普段着の自分を分かってほしいというのではなく、だからといってブランド物を着なければいけないというのでもなく、『結婚対象の人を探すために来たんだ』という気合いや思いが相手に伝わるような服装にすることが大事ですね」

 では、具体的にどのように服装を選べばいいのだろうか。

 「服装に無頓着な人には、『勝負服を1つ作ってください』と言います。人によって似合う服は異なるので、デパートへ行って予算を伝えて、ネクタイから靴まで一揃え、店員に選んでもらえばいいのではないでしょうか。いきなりデパートのハードルが高ければ、カジュアルファッションでもいいと思います。海外ブランドで手頃な価格帯でありながらちょっとセンスのよいラインを揃えているお店なども増えてきていますので、足を運んでみてはいかがでしょうか。普段から時間のある時に、ファッションショップなどを回れば、センスも磨けます。髪形も美容院に行って、美容師に相談すればいいでしょう。大切なのは『プロに聞く』ということ。友達に相談してしまうと、たいてい自分と似たような服装の人ばかりしかいないので、参考にならないんですよね。

 また、自分を知ってもらおうと思って、こだわりの部分を強調した服装にしない方が、自分の人柄を相手にストレートに見てもらえると思います。メッセージ性の強いTシャツなどを着てしまうと、それが受け入れられるか受け入れられないかになってしまって、人柄を見てもらうより先に『あら、合わないわ』と終わってしまいがちです」

 「仕事では、自分や売りたい商品を、よりよく見えるように気を遣ってプレゼンしますよね? それと同じことです。仕事で発揮する段取り力やプレゼン力などを、自分をアピールするために使えばいいんですよ」と棚橋さん。「結婚相手は定年後とも一緒に暮らすわけですよね。仕事より長いお付き合いになるかもしれない人を探すのですから、せめて仕事と同じくらいは気を遣ってもいいと思いませんか?」と言われ、なるほどと思わず筆者もうなずいてしまった。

 とはいえ、今まで服装に無頓着だった男性がファッションショップなどに行こうとすると、心理的な障壁があるもの。そこで、「『そもそもファッションショップや美容院に行くための服がない!』という人もいると思うのですが」と尋ねてみると、

 「でも、1回行かないと変わらないですよね。女性でもそういう局面はあります。何回かそういう岐路にあって、初めてを経験していってみんな成長していっているんです。間違った服装をしている女性もいっぱいいますよね。結婚したいという人は、ある1日に美容院の予約やデパートの買い物の予定などを詰め込むなど、『この日で変わる』という変身スケジュールを作ったりして、自分を追い込まないとダメですね」

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