続いて注目したいのが、今年11月に発売予定のIHクッキングヒーター「らく楽IH」。昨今のIHクッキングヒーターは、3つのコンロのすべてがIHとなった「3口IH」という高級タイプもしくは手前2つがIHで、奥の熱源はラジエントヒーター(RH)という「2口IH+RH」の普及タイプという2極化が進んでいます。
ところが、この「らく楽IH」は幅60センチのトッププレート内に、2つのIHのみを配置したまったく新しい形。三菱電機では「ノリをあぶったり、もちを焼いたりと、日本人の暮らしにはラジエントヒーターが欠かせない」と強調してきたのに、それをあえて取り去り、シンプルにしています。
では、なぜこんな引き算をしたのでしょう?
それはターゲットをシルバー層に絞ったからです。火を使わないので衣類に燃え移るなどの心配がなく、室内の空気もクリーンに保てるIHクッキングヒーターは、高齢者向けの調理機器として注目度が高く、離れて暮らす両親のために子どもたちがリフォームなどを勧めるという声も多く聞きます。
しかし、その一方でボタンが多く、多機能になったIHクッキングヒーターでは、シルバー層が使いこなせるかどうか不安なために、なかなか採用に踏み切れないという声があるのも事実。そうしたシルバー層への新たなコンセプトを持ったIHとして「2口IH」を登場させたということです。
IH部分には直径25センチの大きなオレンジサークルを描き、鍋を置く位置が直感的に分かるようにし、鍋と操作部分を従来よりも5センチ離す設計にして、安心して操作できるようになっています。鍋の位置が少し奥に移動したために、片手鍋などを置いて使用する際にも、取っ手部分がトップテーブルからはみ出しにくくなり、何かの拍子に取っ手がひっかかって鍋をひっくり返す……といった心配もありません。
次に、シルバー層のユーザーに向けての「プラスα」を見てみましょう。操作ボタンの文字の大きさを従来の1.8倍にしたり、「電源=1」「入・切=2」「火力=3」という番号を表示し、1→2→3の順番でボタンを押すだけで、操作ができる「ナンバーナビ」を採用したりしたところも分かりやすいですが、何といっても秀逸なのは「見まもりセンサーと音声ナビ」がついていることでしょう。
高感度の人感センサーが本体の側面に付いていて、調理中に人がそばにいないことを察知すると「揚げ物調理中は安全のため、そばを離れないでください」などと音声ナビで知らせてくれる仕組みになっています。使う人に応じて、音量や話す速度の調整も可能です。
先に述べたナンバーナビは、両親のために設置したIHクッキングヒーターの使い方について、離れたところに住む娘や息子が電話口で説明する時のことを想定して考え出されたものだとのことですが、こうした説明のしやすさは、販売店の担当者が「こんなに簡単ですよ」とアピールする際にもきっと役立つのではないかなと思います。
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