ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2010、現地レポート(1/9 ページ)

» 2010年09月13日 10時12分 公開
[平塚桂,エキサイトイズム]
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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 11月21日まで開催されている、第12回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展。建築展として最高峰の規模と権威を持つ、2年に1度の祭典だ。主な見どころを駆け足でレポートする。

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建築家・妹島和世のディレクション

 今回のヴェネチア・ビエンナーレ建築展は、西沢立衛氏とともにSANAAとして活動する、日本人建築家・妹島和世氏が女性として初めて総合ディレクターを務めることが大きな話題。2010年5月には国際的な権威を持つ建築賞、プリツカー賞も受賞し、さらなる期待を集めている。

エキサイトイズム 妹島和世氏 Photo: Giorgio Zucchiatti Courtesy: La Biennale di Venezia

 総合ディレクターの役割はテーマを決め、総合テーマ展をディレクションすること。妹島氏は西沢立衛氏と長谷川祐子氏(東京都立現代美術館チーフ・キュレーター)をアドバイザーに迎え、「People meet in architecture」のテーマのもと、50組近くの出展者が参加する大型展を企画した。

 この総合テーマ展では、「建築家だけでなく、アーティストやエンジニアも招待した」と妹島氏が公開ステートメントで伝えたように、人気アーティストのオラファー・エリアソン、映画監督ヴィム・ヴェンダース、クライメート・エンジニアリングを手がけるトランスゾーラーなど、多彩なジャンルからの参加者が目立つ。

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 SANAAとのコラボレーションも行っているクライメート・エンジニア、トランスゾーラーのマティアス・シューラーと、SANAA出身の建築家・近藤哲雄氏による「Cloudscapes」。室内に圧力と温湿度が異なる3つの空気層をつくり、中間の層に雲を人工的に発生させている。らせんを描きながら上空へと誘う構造物は高さ4.3メートル。あたかも雲の上を歩くような体験ができる。

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