“攻め”の報・連・相について考える――スター社員の仕事術(1/3 ページ)

» 2010年09月21日 08時00分 公開
[今野誠一,INSIGHT NOW!]
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今野誠一(いまの・せいいち)

マングローブ社長。組織変革と、その担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。そのかたわら、経営者コミュニティサイト「MG-NET+(マグネットプラス)」編集長として経営者同士のネットワーク作りにも取り組んでいる。著書に『マングローブが教えてくれた働き方 ナチュラル経営のススメ』(ブルース・インターアクションズ)。


 新入社員としてビジネスに初めて関わる時、誰もが学んだ「報・連・相」は、実践できているでしょうか。

 中には、上手にできずに上司や社長に叱られる機会が多くて、落ち込んでいる方もいるかもしれないし、あるいは「仕事を任せると言いながら、いちいち細かいことまで報告させるのはおかしい」と不満に思っている人もいるかもしれません。

 新入社員時代に口を酸っぱくして教え込まれるので、「報・連・相」というと、部下が上司にするものと思いがちですが、もちろんそうではありません。部下から上司だけでなく、ビジネスを進めるチーム、ビジネスパートナーと役割分担をして仕事を進めていく上での必要な基本行動だととらえ直した方がいいと思います。

 「報・連・相」の本質は、次の3つだと思っています。

  • 「報・連・相」は、義務感でするものではなく、自分の目的を達成するために、周囲の力を上手に借りるためにするものである(上司もその1人である)
  • 何でもいいから報告や相談をすればいいというものではなく、周囲に「報・連・相」した結果、目的達成のためにその後の行動を好転させることが目的である
  • 仕事を任せられている以上、情報を取捨選択しないで、のべつ何でも「報・連・相」しているのでは意味がない

 「報・連・相」の問題を考える時に、どうも上司が主で、部下が従であり、上司が何か決断したり、何かするためにいちいち耳に入れなくてはならないような感覚があるように思うのですが、それは逆です。上司と部下の間であれば、仕事を任されている部下が自分の仕事をまっとうするために、周囲に対して能動的にするのが「報・連・相」です。

 常に自分が主役、自分軸で考えなくてはダメなんです。

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