タイ国際航空で行く南ア・サファリの旅(前編)秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/6 ページ)

» 2010年11月29日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

“微笑みの国”のエアライン

飛行機と空と旅 成田空港第1ターミナルの46番ゲートにて。TG677便の出発は定刻の16時55分

 成田発16時55分のバンコク行きTG677便。機内に入ると、タイシルクの民族衣装を身にまとったクルーたちが「サワディー・カー(こんにちは)」と微笑み、いつもの“ワイ(合掌)”のポーズでわたしを迎えてくれた。両方の手のひらを胸の前でそっと合わせるこの仕草は、タイの人たちの生活にとけ込んだ日常の挨拶スタイルだ。バンコクと日本をビジネスで何度も行ったり来たりしているという隣にいた30代の男性も、わたしに目配せしてこう呟いた。

「搭乗口であのポーズで出迎えられると、いつも思うんですよね。ああ、これからまたタイ国際航空での旅が始まるんだなって」

 TG677便に使用されている機材は大型双発機のボーイング777-300ER。そのビジネスクラスには、タイ国際航空の最新シートが導入されている。初めてキャビンに足を踏み入れた人は、かつて経験したことのない異様な雰囲気に戸惑いを隠さない。理由は──写真にあるような、進行方向に対してシートを斜めに配置した独特のレイアウトだ。

 777を導入しているエアラインの多くは、ビジネスクラスの横1列のシート配列を、2つの通路をはさんで「2-2-2」でレイアウトしている。これに対して、タイ国際航空の斜めシートの配列は「1-2-1」。つまり横1列をたったの4席におさえ、どの席も通路へのダイレクトアクセスを可能にした。乗客一人ひとりのプライバシーを重視した同様なつくりのキャビンは、ほかにヴァージンアトランティック航空やエア・カナダ、ニュージーランド航空、キャセイパシフィク航空などのビジネスクラスでも採用されている。

飛行機と空と旅 斜めシートのビジネスクラスキャビンで、“ワイ(合掌)”のポーズで迎えてくれた客室乗務員

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