円高に振れたにもかかわらず底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年12月14日 15時57分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10316.77円 △22.88円
売買高 23億8616万株
売買代金 1兆4628億6500万円
値上がり銘柄 1150銘柄
値下がり銘柄 354銘柄
騰落レシオ 150.09% △0.26%

日経平均

依然として過熱感が強い中で円高に振れたにもかかわらず底堅い堅調な展開

 目先的な過熱感が強い中で、米国株はナスダック指数が軟調となるなどまちまちとなり、為替も円高となり手仕舞い売りが優勢な軟調な始まりとなりました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が大幅買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの売りが一巡となった後は底堅い堅調な展開となりました。円高を嫌気する動きは見られるものの売り急ぐこともなく、中国の利上げ懸念で売られた「中国関連銘柄」を物色する動きや出遅れ感の強い内需銘柄にも買いが見られ、上値は重いながらも底堅い堅調な展開が続きました。

 後場も利益確定売りなどに押される銘柄も見られ軟調な推移となりました。とは言っても、金融株なども目先筋の利益確定売りに押されて軟調となる場面もあるなど、相変わらず指数の上値も重いのですが、売り急ぐ動きもなく、素材関連銘柄や不動産株などが堅調で指数を下支えするような格好で方向感のない展開となりました。為替も落ち着いて決定的な売り買いの材料に乏しく、持ち高調整の売り買いなどが中心で方向感のない展開ながらも強含みとなったものと思われます。

 小型銘柄は手掛かり材料に乏しい中で値動きの良さに反応する動きとなり、堅調なものが目立ちました。目先的な過熱感はあるものの値動きの良さから買い方の回転も効いて東証マザーズ指数は大幅高、日経ジャスダック平均も堅調で10日連騰となりました。株式の売買高が全体に膨らむ中で先物のまとまった売り買いは少なく、指数を動かすようなまとまった売り買いも見られませんでした。相変わらず目先筋の小口の売買が中心と見られ、方向感のない展開となりました。

 目先的な過熱感は強いのですが堅調な地合いが続いています。騰落レシオが高い割には指数の上昇が鈍いことでもわかるように、物色対象が入れ替わるような「循環物色」ということでもなく、先高期待が強く、先物がけん引するような動きでもなく、どれもこれも売り急ぐことなく底堅く、ちょっとした買い戻しや持ち高調整の買いが入ると堅調となるというような雰囲気です。物色対象が絞られ、そして循環するような展開になって来るともっと指数の上昇につながるものと思われますが、とりあえずは底入れ確認するための指数の水準訂正ということなのでしょう。

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