仕事のスピードをどう上げるか?――時間の使い方の習慣を変えてみる(1/2 ページ)

» 2010年12月24日 08時00分 公開
[今野誠一,INSIGHT NOW!]

今野誠一(いまの・せいいち)

マングローブ社長。組織変革と、その担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。そのかたわら、経営者コミュニティサイト「MG-NET+(マグネットプラス)」編集長として経営者同士のネットワーク作りにも取り組んでいる。著書に『マングローブが教えてくれた働き方 ナチュラル経営のススメ』(ブルース・インターアクションズ)。


 仕事に時間がかかりすぎている人が陥っている罠に「完璧主義」ということがあります。若手社員ほどそうですが、たいがいの仕事は1人で自己完結せず、自分が作った原案を先輩社員や上司に見てもらったり、ディスカッションしたりすることを通じて磨き上げるというプロセスを踏むのが一般的だと思います。

 先輩や上司によく見られたい、評価されたいという気持ちが強すぎると、たたき台でしかない原案の完成度にこだわりすぎてしまうわけです。

 例えば、1時間であることを考えようと決めた場合に、時間内に70点の出来になったとします。あと30分かければ100点になるのであれば、延長して取り組めばいいのですが、30分長く取り組んでも80点にしかならないのであれば、70点でいいから先輩や上司の力を借りて、追加の30分はほかの課題のために使う方がいいかもしれません。

 100点満点を狙おうと思うと、いくら時間があっても足りません。時間を切って、その範囲で物事を進める癖を付けなくてはなりません。

 弊社では全ての会議室にキッチンタイマーが備えてあり、時間を区切って会議や作業をする習慣を付けています。「この時間内で可能な限り完成度を上げよう」という感覚を持ち、本当に時間で終わらせること、話し合いや作業の密度が高まるだけでなく、完璧主義の呪縛から逃れる習慣を付けることにもつながります。

すぐできることを「行動に移す」癖をつける

 優先順位を決めることは尊いのですが、仕事の遅い人を見ていると、馬鹿正直に優先順位1番から愚直に進めて、膨大な時間がかかってしまい、ほかの「やればすぐにできること」を滞らせて失敗していることが多いようです。

 例えば、誰かに電話でお願いごとをするとか、期限がまだ先のアンケートだとか、体裁を整えてもう提出するだけになっている資料だとか、一瞬にして片付けられる仕事が色々あるわけです。そうしたものでも後にズルズル溜めていくと、ちりも積もればナントヤラですし、期限がまだ先のことだと思っても、簡単なことほどうっかり忘れてしまったりするものです。

 優先順位が高くないことであっても、その場でやってしまえば済むことは、溜めてタスクリストに載せていないで、その場で解決する。「起こった瞬間に片付けてしまう」ことを基本にしましょう。小さなことをすぐやらずに、いつも一呼吸おいている人に仕事のできる人はあまりいないように思います。

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