コラム
» 2011年01月28日 08時00分 UPDATE

吉田典史の時事日想:なぜ30〜40代は、“自分を言いくるめる”のか (3/4)

[吉田典史,Business Media 誠]

客観的にとらえる機会がない

 ここまでの話を聞くと、私は思い起こす人がいた。確かに言いくるめるタイプの人は、自分を高いところに置いている。数年前、取引先の出版社に30代の編集者がいて「自分は、こんな会社で終わらない」と言っていた。だが、その男性は職務遂行能力が同世代に比べると、3〜4ランクは低い。私は「この人を受け入れる会社はないだろうから、転職はできない」と思った。案の定、4年後の今もその職場にいる。

 また5年前に取材で会った、社員数8人のベンチャー企業の経営者(30代半ば)は、「会社を上場させることはできるが、あえてしない」と答えた。今も、その会社は社員数10人にも満たない。上場どころか、現状を維持するのが一杯なのだろう。

 門田さんは、自らを言いくるめる会社員にいくつかのアドバイスをしているという。「会社員は、自分の実力や業界でのポジションを客観的にとらえる機会が少ないので、意識してそのような場に身を置くといいですね。例えば、定期的に資格試験やスキルチェック、年収査定、キャリアカウンセリングなどを受けると、同世代の中での自分の位置付けが分かります。

 セミナーや交流会などに参加して、他社で働く同世代の人とじっくり話し合うのもいいでしょう。他人と比べることで自分を客観的に見つめ直すことができるのです」

 さらに、上司からの助言や注意にも謙虚に受け入れることも大切と説く。「上司はほかの部下と比べたうえでアドバイスをしてくれているはずです。それがたとえ意にそぐわないものであっても、耳を傾けるべきでしょう。自分を美化したい気持ちは誰にでもあります。しかし、現実から目をそむけていたら、ずっと後悔し続けることになってしまいます」

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