好決算銘柄に反応して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年02月04日 16時14分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株高や鉄鋼株の経営統合のニュースなどが好感されて買い先行となりました。経営統合となる新日鉄(5401)と住友金属(5405)だけでなく、好決算を発表された銘柄や再編が期待される銘柄などを中心に買い気配から始まるものも見られ、大幅高の始まりとなりました。外国人売買動向も買い越しと伝えられたこともあり、寄付きからの買い一巡後も値持ちの良い展開となりました。その後も週末の米雇用統計の発表などを見極めたいということや手仕舞い売り、ヘッジ売りに上値を押さえられて小動きとなったものの、堅調な展開は続きました。

 ようやく、と言う感じがしないでもないのですが、昨日の引け後に新日鉄(5401)と住友金属(5405)の経営統合が発表され、好感した買いが入り大幅高となりました。連れて、再編が期待される業種や銘柄などを物色する動きとなりました。考えて見ると、建設会社は公共工事が減少、人口が減少するなかでまだまだ数が多いですし、食品や医薬品会社の規模は世界的に見るとまだまだ小さいなど再編があってもおかしくはないと思われます。

 自動車会社の中では国を超えた再編で生き残りを図っているものなども見られ、時価総額で見た場合に日本企業がベストテンどころかベスト20にも登場しないことを考えると再編の動きがまだまだ出てもおかしくはないと思います。韓国では早々と財閥解体からの再編が行われ、その結果今では日本企業以上に世界を席巻しています。何でもかんでも統合すれば良いと言うわけでもないのでしょうが、一考に価することではないかと思います。

 もちろん、再編して会社が大きければ良いということでなく、統合の目的を共有する必要がありそうですが、今回の鉄鋼株の統合は前向きと考えても良いと思います。各々の傘下の企業などへの思惑も今後は出てきそうですし、新興国の企業なども巻き込んで今度もいろいろな業種で世界的な合従連衡の動きが加速されるかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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