中国経済拡大を好感して強含み清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月15日 08時50分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10725.54△119.89

<TOPIX>959.19△12.56

<NYダウ>12268.19▼5.07

<NASDAQ>2817.18△7.74

<NY為替>83.32▼0.10

利益確定売りで上げ一服となるも中国経済拡大を好感して強含み

 エジプト騒乱も一段落、決算発表も一段落となって利益確定売りに上値を押さえられる展開となりました。小売り大手が投資判断の引き下げを受けて売られるなど、目先的な過熱感もあり、利益確定売りを急ぐ場面も見られました。ただ、中国の1月の貿易統計が大きな伸びを示したことで、これまでドル安政策を取る中で、新興国を中心とした経済拡大を受けて企業業績が回復、その影響で個人消費や雇用に回復感が見られることから、世界的な景気拡大を好感する動きもあり、底堅い堅調な展開となりました。

 米国での景気回復を織り込む動きとなっており、目先的な過熱感はあるものの利益確定売りをこなして堅調なものが多くなっています。市場のセンチメントも好転、倹約疲れから消費も増えつつあり、好調な企業業績をベースに堅調な展開が続くものと思われます。地政学的なリスクやインフレ懸念などが取り沙汰されるまでは景気回復を織り込みながら堅調な地合いが続くものと思います。

 個別には総じてまちまちとなっていますが、ここのところ落ち着いた動きとなっていたエクソン・モービルやシェブロンなどの石油株、パブリック・ゴールドやニューモント・マイニングなどの金鉱株が原油価格は軟調となったものの、新興国の経済拡大期待もあって堅調となりました。同様にアルコアは堅調となりましたが、キャタピラーは利益確定売りに押されました。銀行株やハイテク銘柄も大きく売られるものもないのですが、まちまちとなり、アップルやバンク・オブ・アメリカは高く、IBMやJPモルガン・チェースは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は先週末の米国株高や円安を好感、エジプト騒乱も一段落となったこともあり、買い先行となりました。ただ、戻り売りに押さえられて上値の重い方向感のない展開となり、指数も大きな動きはありませんでした。ただ、午後になって中国の貿易拡大などが伝えられると中国関連銘柄を買い直す動きもあり、指数が押し上げられ、最後は目先筋の買戻しもあって高値引けとなりました。

 米国市場はまちまちとなりましたが、ナスダック指数が堅調ということもあり、日本市場も底堅い堅調な展開となりそうです。ただ、昨日の相場でエジプト騒乱の一段落や中国の貿易統計大幅増を織り込んでいると思われ、利益確定売りに押されて上値も重いのだと思います。日銀金融政策決定会合は特に金融政策に影響はないと思われ、決算発表もほぼ出揃って来ており、足元の景気拡大と決算動向などを見ながら持高調整の売り買いが中心となるのだと思います。

 日経平均は10700円台で引けたことで、10500円〜600円の底堅さを確認、10800円〜900円水準の節目を目指す展開となった可能性も高くなりました。ここからは10600円台に入ると底堅さが見られるような展開になるのかどうかと言うところで、10600円台でしっかりと買いが入るようであれば10800円を目指す動きとなって来るのだと思います。10800円〜900円水準まで上昇となると目先的な達成感や過熱感から10500円〜600円水準での底堅さを試す場面もあると思います。

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