週末の手仕舞い売りに押されて冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年02月18日 16時04分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国株は堅調となったのですが、目先的な過熱感が強いことや週末と言うこともあり、上値の重い展開となりました。週末に注目されるイベントを控えていることや中東情勢が不安定なこと、また、米国市場も3連休となることなどから、出遅れ感が強い銘柄などを買い戻す動きはあるのですが、積極的に買いは入らず冴えない展開となりました。今週に入ってから既に買戻しがかなり見られたことで、買戻し一巡感が出ているものもあり、買われる銘柄も限定的となり、指数も小動きとなりました。

 先物の昼休み撤廃の影響なども注目されましたが、1週間が過ぎたところでは特筆するような変化は見られませんでした。昼の間に上海市場が開いているとか香港市場が・・・、というような意見も見られましたが、今の先物市場の参加者は特に周りを気にしながら方向感を持って売買をすると言うよりは目先の値動きの変化で売り買いをする向きが多いことから、一旦動きが出るまでは誰も動かないということなのでしょう。

 取引時間に関わらず、株式市場もそうした傾向にあり、材料云々というのは後から取ってつけたようなものが多いと思います。もちろん、決算発表などの材料に反応するものも多いのですがかつてのバブルの時代、あるいはその前の時代のように「○○関連銘柄」というとそうした「テーマ」が長続きしてある程度海のものか山のものかわかるようになって始めてテーマを取り沙汰する相場が終わるということが多かったのではないかと思います。

 本日のニュースでも「油田発見」だとか「がん治療薬の製造・販売権取得」と言うニュースよりも、「自社株買い」と言うような目先の需給要因に反応することが多く、「夢」を買う動きが少ないような気がします。もちろんいろいろな投資家や投機家がいるわけで、反応もまちまちなはずですが、本来の株式投資と言う「夢」を買う投資家にメリットのあるような施策も望まれます。高速売買も良いのですが、もっと長い目で見た方向感を買う動きが出ても良いと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.