シンガポール航空に続いて、2008年にはエミレーツ航空とカンタス航空もA380の運航を開始した。ジャンボ機の1.5倍というスペースは、空の旅にどんな新しい可能性を広げたのか? 例えば、下の写真をご覧いただきたい。このバー、ずいぶんと賑わっているが、これはじつは飛行機の中である。エミレーツ航空が運航するA380の機内に、こんなラウンジが出現した。上級クラスのソーシャルエリアには、ほかにフライト中にリフレッシュできる2室のシャワースパなども設置されている。
A380の総受注数は、2011年2月時点で19社から計244機。日本では2008年5月に成田/シンガポール線でデイリー運航がスタートしたほか、2010年には日本とヨーロッパもA380で結ばれた。現在は以下の3つの路線でそのフライトを体験することができる(いずれも2010年冬スケジュール)。
エールフランス航空が運航するA380の座席構成は、ファースト9席、ビジネス80席、エコノミー449席の計538席。ルフトハンザはファースト8席、ビジネス98席、エコノミー420席の計526席。シンガポール航空の471席に比べてどちらも座席数はやや多いが、これは日本人観光客に人気のパリ線とビジネスでの利用が多いフランクフルト線という、両路線の高い需要に対応してのことだろう。
ユニークなのは、ルフトハンザ機の機内レイアウトだ。同社はメインデッキ(1階席)をすべてエコノミークラスにし、ファーストクラスとビジネスクラスはアッパーデッキ(2階席)に配置。これには、ある仕掛けが隠されている。A380に搭乗する場合、成田空港ではゲートを抜けると、ボーディングブリッジ(搭乗橋)が途中で1階と2階へ二手に分かれている。しかしルフトハンザがハブとするフランクフルト空港では、エコノミークラスの乗客は従来のゲートから、ファーストおよびビジネスクラスの乗客は1つ上のフロアのゲートから搭乗できるよう搭乗階を下と上に分けた。そして2階席への搭乗ゲート前の待合室は、そっくりラウンジにリニューアル。つまり上級クラスの乗客は、出発までラウンジでくつろぎ、時間になればラウンジから直接搭乗できるようにしたのである。
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