機械受注統計が予想を上回り買い先行だが上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年03月09日 17時14分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高となったことを受けて買い先行となりました。原油価格の上昇が一段落となったことや為替が落ち着いていること、また外国人も買い越し基調ということもあって、寄り付きの買いが一巡となった後も値持ちの良い展開となりました。ただ、先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出を控えていると言うこともあって積極的に買い上がる動きも限定され、相変わらず持高調整の売り買いが中心で大きく方向感が出ると言うこともありませんでした。

 日経採用銘柄の定期入れ替えの内容が発表されました。今回は3月末で、三洋電機(6765)、パナソニック電工(6991)、住友信託銀行(8403)の3銘柄が合併で上場廃止となってしまうことから、安川電機(6506)、大日本スクリーン(7735)に第一生命(8750)を補充する形となりました。日経平均採用銘柄の入れ替えの際にはインデックスファンドなど日経平均と連動する投資信託は組み入れ銘柄を入れ替える必要があり、削除される銘柄を売り、採用される銘柄が買うという動きになります。

 今回は4月からの合併ですから、29日に3銘柄が追加される形での入れ替えであり、本来であれば、28日の大引けで入れ替えると言うことになるのですが、おお引けで買われるだろうという思惑から決定した時点で採用銘柄には買いが入っています。日経平均への影響は今回は合併により上場廃止となってしまう銘柄と新規に採用される銘柄の50円額面換算の株価に大きな差がないことから、波乱は少ないと思われます。

 もし、削除される銘柄に比べて採用される銘柄の株価(50円額面換算)が大きく上回るような場合は入れ替えの際に波乱となる可能性が出てきます。かつて2000年の4月に30銘柄を一気に入れ替えたことがあるのですが、インデックスファンド、日経平均に連動する投資信託などの影響を考慮しなかったため、大変なことが起きました。今回は大きな差がないことから波乱はほとんどないと思われますが採用銘柄や入れ替えるための持高調整などに指数が振らされる場面もあるかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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