見切売りが嵩んで大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年04月26日 16時06分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場は底堅い堅調な展開でしたが、為替が円高気味となったことや芳しくない主力銘柄の決算発表が見られ、特に大震災の影響なども取り沙汰されていることなどから買い気に乏しい展開で見切売りに押されて軟調となりました。好調な決算を発表した銘柄などは買われ、また、持高調整の買戻しが入っているような銘柄は堅調なのですが、物色対象も絞りきれないところで、大震災の影響などでの業績悪化を嫌気した見切売りも嵩んだものと思います。

 電力不足や需要喚起に対応することが復興への一つの手段と思うのですが、政府の動きがあまりに鈍いような気がします。出来ることだけ場当たり的にやるという状況は以前と変わりないのですが、こうした未曾有の危機ということをしっかりと把握して早め早めに対策を出し方向性を示すことが必要ではないかと思います。そして、企業の活動も目先の利益を追うと言うことではなく、経営者も社員も投資家も方向感を持って行動することが必要ではないかと思います。

 LED(発行ダイオード)への置き換えや、自家発電設備の設置、太陽光発電や小型の水力発電や風力発電など需要を喚起し、電力不足を補うような手も民間では動きが出ているものの政府として何も出来ていないような気がします。既に批判を浴びていますが、復興会議にしてもわけのわからない人ばかり集めて何も決まらず、会議を開くことが目的となっているような気がします。仕事にしても投資にしても目標も、目的もなければうまく行くはずはないと思います。

 そして、目的のために今何をするのかを考えて行動することが大切で、目的を決めることではなく、ましてや目的も決めずに出来ることを決めるということではないと思います。目的は被災者の方がまずは「普通の生活」が出来るようにすること、そして電力不足に対応し、これまで通りの生活が出来るようにすることであり、それから、ついに「成長するため」のことを考えていけば今何をするべきなのか、出来るのかを一つずつやれば良いだけのことではないかと思います。まずお金がなければ何もならないと言うことでお金を作ることから考えるのではないと思います。投資でも復興でも同じだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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