スマートフォンと連携する腕時計、スマートウオッチが切り拓く新しい時代とは?(3/4 ページ)

» 2011年05月18日 08時00分 公開
[日高彰,Business Media 誠]

アプリやセンサーの活用で広がる可能性

 Bluetooth Low Energyを利用する大きなメリットはもう1つある。いま、最も売れ行きが伸びているモバイル機器の1つがスマートフォンだが、この年末から来年にかけて、Bluetooth Low Energyに対応したスマートフォンが登場してくると考えられるからだ。電池寿命を延ばすため、できるだけ消費電力を抑えたいというニーズは時計も携帯電話も同じ。現在販売されているスマートフォンのほぼすべてはBluetooth機能を搭載しているが、これが今後Low Energy対応になっていくことで、カシオの腕時計とつながる相手が自然と増えていく形になる。

 また、スマートフォンの最大の特徴は、ユーザーが自分で好きなアプリを追加できることだ。今回試作された腕時計では、着信通知、着信音の停止、アラームの動作、スマートフォンから時刻情報を受信しての時刻合わせ、と大きく4つの機能が利用可能。だが、スマートフォン側に新しいアプリを追加することで、例えばゲームと連動して腕時計が振動やメッセージの表示などを行うといった動作も可能になる。

 さらに、Bluetoothは時計や携帯電話だけでなく、今やあらゆる情報機器に搭載が進んでいる技術だ。例えば、体重計や血圧計といったヘルスケア・フィットネス機器では、Bluetooth経由でPCや携帯電話にデータを送信できる製品が出ているが、将来的にはこれらの機器とスポーツウオッチが連動し、トレーニング中に最適な運動量を伝えてくれたり、腕時計側で測定した心拍データなどをパソコンやスマートフォンで管理したりといった展開も考えられる。

 ほかにも、通信機能を搭載する時計の種類によってもさまざまな可能性が考えられる。例えば、カシオには登山やトレッキングなどで活躍するアウトドアウオッチ「PROTREK」がある。この時計はセンサーによって方位、気圧、高度、気温などの計測が可能だ。計測データをスマートフォンに送信して蓄積することで、山登りに出かけた1日の行動記録としたり、逆にスマートフォンのGPSで得た位置情報を時計側へ渡し、目的地の方角を表示させるといったことも可能になるだろう。

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