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以下「誰もが認める美人より、磨けば光る子を探せ――山崎元VS. 山口揚平の投資対談(前編)」(2008年7月31日)の冒頭部分を再掲します。「まとめ読み!誠 PDF」をダウンロードすると、投資対談に関する記事をまとめて読むことができます。
かつてM&Aのコンサルタントとして、日本の経済史上に残る案件に携わった山口揚平氏。一方、転職を繰り返しながらも一貫して投資の世界に関わってきた山崎元氏。30代の山口氏と、今年50歳になる山崎氏。世代の違う2人はそれぞれ、投資の世界をどのように見てきたのだろうか? すでに投資を始めているが資産を殖やせない、投資はしたいがなかなか決断できない、そんなビジネスパーソンに向けて、2人からのメッセージを3回にわたってお届けする。
――まずは自己紹介をお願いします。
山口揚平(以下、山口):私は約8年間に渡って、M&Aの仕事に携わってきました。トーマツコンサルティングやアーサーアンダーセン、デロイトトーマツコンサルティングで、某巨大複合企業や巨大小売業の再建を手掛けてきましたが、私自身は“金融資本主義”というものを信じていません。「ポスト金融資本主義を考える必要があるのではないのか?」と考え仕事を辞め、個人投資家を支援するため「シェアーズ」を設立しました。具体的には正しい投資の知識や正確な情報、新しい投資のアイデアを個人投資家と分かち合い、自らが的確な投資判断ができるようにお手伝いをしています。
山崎元(以下、山崎):私は大学を卒業して三菱商事に就職し、その後「ファンドマネージャーになりたい」と思い、野村投信に転職しました。その後、住友生命、住友信託、シュローダー投信、バーラ、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一證券、DKA、UFJ総研、そして今の楽天証券経済研究所で働いています。とはいってもUFJ総研からは、会社で働きながら経済評論家の仕事もしています。具体的には経済関係の文章を書いたり、講演をしたり、投資家教育のコンサルティングしたり、友人と会社を設立したり、仕事を“ポートフォリオ化”(分散)しています。
転職を12回してきましたが、ファンドマネージャーとして長く働いていたこともあって、株式市場や為替のマーケットには大変興味があります。今年で50歳になり、半世紀生きてきましたが運用の仕事には一貫して興味を持ってきました。しかし、いろいろなことに興味があるので「これからどうしようかな?」とも考えています(笑)。
――2人とも投資に関係する仕事をしていますが、投資をはじめたきっかけは何でしょうか?
山崎:三菱商事で働いていたときに為替のディーリングをしていました。商社に就職して為替を希望した人間は珍しかったのですが、とにかく相場を扱う仕事がしたかったのです。実は大学時代に将棋部に所属していて、ゲームという感覚で相場を捉えていたのかもしれません。
しかしファンドマネージャーの仕事をしたくて、野村投信に転職しました。そこで株を買ったことが、人生で初めての投資経験になります。ちなみに最初に買った銘柄は住友銀行(現三井住友銀行)。当時、株を購入するにあたって上司からは「ハイテク株にするのか、それとも内需か?」と聞かれましたが、バブル経済を予測して「金融機関の株価が上がるのではないか」と分析しました。これを聞いた上司は「長くファンドマネージャーをしてきたけど、最初に銀行株を買ったのは君だけ。ひょっとしてお金に苦労してきたのか?」と言われました(笑)。
――自分のお金で投資をされたことはありませんか?
山崎:ファンドマネージャーという仕事をしていたため、自分のお金で投資をした経験はあまりありません。テレビなどでマーケットのことをコメントする機会もあったので、職業倫理的に株を買うことをしなかったのです。「自分は人のお金を運用するプロであって、自分のお金は運用しないんだ」と考えていました。
しかしUFJ総研に転職したとき、ネット証券が設立されて、個人の株式売買が増えてきました。「個人投資家はどのような気持ちで、(ネットで)株を売買しているのか?」その部分を知りたかったため、2年半ほど運用してみました。基本的に私にとって、投資とは人のためにするもので、投資歴の長い人とは違った感覚を持っています。(続きは「まとめ読み!誠 PDF」で)
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