買うべきか、待つべきか――増税で変わる住宅購入事情あなたはどうする? 住まいの選び方(2/3 ページ)

» 2011年06月17日 08時00分 公開
[権田和士(日本エル・シー・エー),Business Media 誠]

1997年の増税前の駆け込み需要に何を学ぶか

 住宅取得にかかる増税が避けて通れないとすれば、1997年の3%から5%に消費税が上がった時に、どのようにして駆け込み需要が起きたかを振り返ることが今後の動向を占う1つの指針となる。

 1997年4月に消費税を5%に引き上げることが決定したのは1994年9月であり、その2カ月後の11月に法案が可決された。そして、実際に駆け込み需要が起きたのは税率引き上げ1年前の1996年であり、着工戸数が前年比15.6%アップの64万戸になった。

 もし与謝野馨経済財政・社会保障税一体改革担当相が説明したように、もっとも早くて2013年9月に第1弾の増税が起こるとするならば、1997年の増税と同じく、前年の2012年に駆け込み需要が発生する可能性が高い。

駆け込み需要の最大のリスクは、ベストの住宅を選べなくなること

 駆け込み重要が発生した場合、住宅購入の最大のリスクは、購入者が一気に増えることで自分がベストと思う住宅を選べなくなることだ。2012年の駆け込み需要に供給が間に合わずに需給バランスが崩れる可能性が高い。

 分かりやすい例で言うと、マンション販売に関しては仕入れから販売まで約2年かかるため、2012年の駆け込み需要に供給を間に合わせようとすると2010年から仕入れている必要がある。慌てたマンションデベロッパーがこれから仕入れたとしてもマンションが販売できるのは2013年からだ。

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