週末の手仕舞いの売り買いが交錯して小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年08月26日 16時17分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は大幅安となったのですが、為替が円安に振れたということもあり、底堅い堅調な展開となりました。朝方は売り先行となったのですが、シカゴ市場(CME)の日経平均先物が底堅かったこともあり、底堅い始まりとなり、底堅さを確認すると買い戻しも入り堅調となる場面もありました。ただ、さすがに注目されるFRB(連邦準備理事会)議長の講演を控えた週末ということで積極的に買い上がることもなく、上値も重く、指数に方向感はみられませんでした。週末の手仕舞いの売り買いが交錯する形で方向感なく小動きとなりました。

 従来型の対面営業の証券会社ではなかなか考えられないのですが、一定の金額を超えていると信用取引の手数料が「ゼロ」と言う証券会社もあるようです。そうなるともはや証券会社と言うよりは金利収入をあてにした貸金業者と同じような感覚だと思います。先物取引にしてもCFDやFXにしても同じような感じですが、「担保」の性格は違っていても結局は「差金決済」ばかりが流行っているということになりそうです。

 インターネット証券も「証券会社がインターネットで注文を受けている」のか「インターネット会社が株取引の注文も受けている」のかわからないような状況で、今はインターネット会社がたまたま売る商品が値動きのある「株式」であり、「為替」なのだという感じです。「バイナリオプション」というような、いい方は悪いですが「丁半ばくち」のようなものも流行っているようで、本当に「株式投資」ということばもだんだん死語になっているような気もします。

 そうはいっても、株式市場がなくなるわけでもなく、本来の企業に投資をしてその企業の儲けの配分を株価という形や配当という形で増やすということもしっかりと考えて見ても良いのではないかと思います。大恐慌が来るという向きもいるようですが、ここまで安くなった株式の価値もどこかで見直されることもあると思います。ここで割安株をしっかりと仕込んでおけば、案外良い買いものになるのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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