買い先行、一時大幅高となるも小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年10月13日 16時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株は一時大幅高となるなど堅調、為替が円安に振れたことから買い先行となりました。昨日の軟調な相場の反動ということやここのところ売られすぎとなっていた輸出株などを買い戻す動きもあって指数は大幅高となりましたが、積極的に上値を買い上がる買い手もおらず、上値も限定的となりました。ただ、上値の重さを確認したからといって売り急ぐようなこともなく、指数は膠着、方向感のない展開となりました。

 本日も日中の値動きに乏しい展開となりました。大幅高とか大幅安となっても日中の値動きがほとんどないので、身動きが取れないという人も多いのではないかと思います。あとから見ると上がっていても実際には買うに買えず、買えたところでは既にかなり値上がりしているなどと言うケースも多いのではないかと思います。デイトレーダーといわれる1日のうちに売り買いの決済をしてしまうような人達はこういうような相場が続くとかなり苦労するのではないかと思います。といっても少し長い目で見ても、方向感のない相場が続いており、何カ月あるいは何週間かに一度大きく水準訂正をしてからもみ合いとなるという感じです。

 相場が動かないときはオプションを売るということ意外にしっかりと儲けることは難しいのですが、そのオプションでも動きが少なくなると儲けもさらに少なくなってしまい、気をつけておかないと一度大きな変動があると一気に損が膨らんでしまうということになりかねないのです。もっともっと長い目で将来性を買うということで保有していてもいっこうに上がらず、評価損ばかりが膨らんでしまうという懸念すら出てしまいます。いずれにしても相場が日中でも中長期でも動かないことにはなかなか儲け難いということだと思います。

 ただ、資金を振り分けるとか、例えば現物株を担保に先物やオプションでヘッジをするなどということも資金効率を考えれば有効ではないかと思います。そういうとかなり難しいことを言っているようですが、いわゆる主力銘柄といわれるような銘柄は指数と同じように動くことも多く、現物株を担保にオプションを売って上げ下げ、そしてもみ合いのヘッジをして、さらにそのヘッジとして先物を利用するなどということも簡単にできるのではないかと思います。一筋縄ではいかない相場ですが、そういう工夫で乗り切るということも可能だと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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