決算発表やM&Aに絡む話題もあって堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年10月25日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8843.98△165.09

<TOPIX>755.44△11.23

<NYダウ>11913.62△104.83

<NASDAQ>2699.44△61.98

<NY為替>76.08▼0.20

欧州金融不安の後退、信用収縮懸念の後退に好調な決算発表やM&Aに絡む話題もあって堅調

 先週末に続き欧州金融不安や信用収縮懸念が後退、予想を上回る決算発表や買収観測などもあり総じて堅調、ナスダック指数は大幅高となりました。中国景気の鈍化懸念が薄らいだことも足元の好調な業績とあいまって指数を押し上げる要因となりました。欧州金融不安が薄れたことで信用収縮懸念が薄れ、景気後退懸念が薄れて素直に好調な業績を見直す動きとなったのだと思います。引き続き決算動向や経済指標に反応しながら強含みの展開となりそうです。

 ダウ平均は12000ドル、ナスダック指数は2700という水準が節目となっており、いったんは上値も重くなりましたが、底入れ感はかなり強まっていると思われます。一目均衡表で見るとナスダック指数が「三役好転」となった後、先週末にダウ平均も「三役好転」となっており、ここから見ると「底入れ確認」とみても良いと思われます。ここからは上値の重さを確認して調整となっても底堅さもみられると思います。

 個別にはキャタピラーが予想を上回り決算を発表、売上高は四半期ベースで過去最高となったことが好感されて大幅高、アップルも大幅高、インテルも堅調となるなどハイテク銘柄が総じて高く、欧州金融不安が薄れていることでバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェース、シティグループが揃って大幅高となるなど金融株も高くなりました。金や原油の先物も高く、パブリック・ゴールドが大幅高、エクソン・モービルが堅調、そしてアルコアも大幅高となるなど素材・資源株も高くなり、ほぼ全面高となりました。オラクルはクラウドコンピューティング会社のライトナウ・テクノロジーズを買収すると発表して買われ、ライトナウは大幅高となりました。医療保険大手のシグナは高齢者向け医療保険などを運営するヘルススプリングを買収すると報じられシグナは軟調となったもののヘルススプリングは大幅高となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は先週末の米国株高を受けて買いが先行、大幅高となりました。相変わらず閑散とした相場で寄り付きの買いが一巡となった後は方向感のない展開となったのですが、円高が一段落となったことで値持ちの良い展開が続き、中国の経済指標の好転がみられると一段と上昇、ユーロが高くなるに連れてじりじりと上昇となり、ほぼ高値圏での引けとなりました。輸出株なども決算発表の前にいったん手仕舞いの買戻しも入っているものと思われます。

 米国株は引き続き堅調となりましたが、日本市場は昨日の大幅高で織り込んだ面もあると思われます。シカゴ市場(CME)の日経平均先物も日本市場の終値と変わらない状況であり、昨日堅調となっていたユーロも軟調となっていることなどから、上値の重い展開となりそうです。ただ、世界的な景気鈍化懸念が薄れていることから過度に売られすぎた銘柄などの修正は続き全体としては底堅さもみられると思います。為替の影響が少ないような内需株を中心に堅調、底堅い展開となると思われます。インターネット関連銘柄などが引き続き幕間つなぎ的に買われるのではないかと思います。

 日経平均は8800円台に乗せて来ましたが、ここからは為替がこれ以上円高にならないことが確認できるまでは買い上がりにくいのではないかと思います。決算動向が垣間見られる中でもどうしても円高の影響が懸念され、円高修正とならないと買い上がりにくいと思います。ただ、世界的な景気鈍化懸念も薄れたことで売り急ぐ動きも一段落となるものと思われ、為替動向に一喜一憂するような格好で方向感に乏しい展開が続くのだと思います。

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