欧州金融不安や米金融機関の破産法適用、ドル高による大幅安清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年11月01日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8988.39▼62.08

<TOPIX>764.06▼7.37

<NYダウ>11955.01▼276.10

<NASDAQ>2684.41▼52.74

<NY為替>78.14△2.33

欧州金融不安の再燃や米金融機関の破産法適用申請、ドル高による商品安などから大幅安

 先週の大幅高の反動や欧州金融不安が再燃、欧州株が大きく下落したことから売り先行となり、大手金融機関の破産法適用申請や円売り介入による商品相場の下落が金融不安を煽るような格好となり、大幅安となりました。まだ、目先の調整ということなのだと思いますが、悪材料には敏感に反応してしまうということなのでしょう。今週は主要な経済指標の発表やFOMC(公開市場委員会)も開催され、いったん手仕舞うという動きもあって下げを加速したものと思われます。

 欧州金融不安が一段落となったと思ったところでの金融機関の破産法適用申請ということで敏感に反応してしまったようです。欧州金融不安がそれだけ根強く、今後も金融機関に対する疑心暗鬼な態度が変わらないとするとなかなかリスク許容度が上昇とならず、株価も冴えない動きとなってしまいそうです。欧州での金融不安、そして米国の景気、中国など世界的な景気鈍化などが懸念されるのですが、徐々に懸念材料も払拭されており、底堅さを確認して再度買い直されることになるのではないかと思います。

 個別にはMFグローバルが破産法の適用を申請し終日売買停止となり、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株が軒並み大幅下落、円売り介入でドル高となったことから金や原油の先物も下落、商品相場が軒並み下落となったことからアルコアやエクソン・モービルが大幅安、ニューモント・マイニングも軟調となるなど資源エネルギー関連銘柄も軒並み売られました。キャタピラーが軟調、GE(ゼネラル・エレクトリック)は大幅安となるなど景気敏感株も軒並み軟調となり、インテルやIBMも軟調となりました。ウォルマートなど商品関連は底堅いものの軟調となるなどほぼ全面安となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は先週末の米国株がまちまちとなったことや大幅高の反動から冴えない始まりとなり、軟調な推移となりました。それでも外国人が買い越しと伝えられたこともあり底堅さもみられ、指数は小動きとなっていたのですが、前場中ごろ過ぎに円売り介入がみられ一気に円安に振れると先物主導で買い上がる動きとなり、一時大幅高となりました。ただ、買戻し一巡後は為替介入の持続性や円高での下方修正が多くみられたことを嫌気して上値が重く、手仕舞い売りも嵩んで結局軟調、安値引けとなりました。

 米国株が大幅安となったことや介入効果がいまひとつということもあり、売り先行となりそうです。為替介入はとりあえず、日本市場にとっては好感されたものの結局は時期を逸したとの見方もあって効果が薄く、足元の決算でも円高の影響が大きいことから、さらに介入が続くのかどうかを見極める動きとなりそうです。為替に仕掛けてきな動きがみられてもしっかりと円安傾向を保てれば輸出株を中心に買戻しや買い直しも入るのでしょうが、円高に振れるようであれば売り直されて下値を試すことになるのでしょう。為替に影響の少ないインターネット関連銘柄などが幕間つなぎ的に物色されそうです。

 日経平均は9000円台を保てず、8800円〜900円水準での動きとなりそうです。この節目での底値固めとなるのかどうか逆に再度この水準での上値の重さを確認することになるのかどうか、為替次第ということになりそうです。9000円台をつけたことが、8800円〜900円水準での「誤差」の範囲で再度8500円〜600円水準での下値を試す動きになるのかどうか、為替動向とともに、ここ2〜3日の動きで決まりそうです。

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