上げ幅縮小となる場面もあったが最後は買戻しもあって大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年11月09日 16時06分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国株高や昨日の大幅下落の反動から買い先行となりましたが、上値も限定的、値持ちも良かったのですが、上値も重いという感じでした。外国人も売り越しとなり、決算動向も円高の影響で芳しくなく、さらに取引時間中にも円高が進む場面もあり、最後まで買い切れないということなのだと思います。円高やタイの洪水の影響が懸念され、腰を据えてしっかりと買い上がるというわけでもなくオリンパス(7733)問題もあって積極的に物色対象を広げ難いということもあるのかもしれません。

 昨日オリンパスに関連しているとして売られた金融株の一角などが大きく反発となりましたが、欧州金融不安ではなく日本固有の「金融不安」が強まったものと思います。本日も銀行株の一角は乱高下となるなど落ち着きのない展開となっており、こうした不祥事がみられると諸々の影響を市場に与えることになりそうです。これまでも、記憶に新しい「ライブドアショック」やその昔でしたら「リクルート事件」などもあり、こうした事件が起こるたびに規制が強化され、証券市場が衰退していくような気がします。

 不祥事が起こって規制が強化され、その規制強化でますます身動きが取れなくなるということも多いのではないかと思います。昔の話をすると笑われますが、あまりに綺麗にしようとしすぎてがんじがらめで市場が市場として機能しないなどということもあり、逆に変に規制を緩和して市場が混乱しているという面もあると思われます。いずれにしても悪いことをするのが悪いのですが、きちんと監視機能をつけて、自由に動くというのがあるべき姿と思います。

 いずれにしてもオリンパスのこうした動きが他に波及せず、オリンパスの問題だけに止まることが期待されます。上場している企業であれば、上場コストとしてそうした不祥事が起これば即退場という覚悟で上場して欲しいと思います。いかに自己責任だといっても上場しているから安心ということで株を売り買いできなければ、すべての上場企業を自分で調べてから売り買いするわけにもいかないのですから、安心する市場を提供することが必要ということでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.