買い先行となったが週末の手仕舞い売りに押されて上値も重く小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年11月11日 16時08分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が反発となったこともあり、日本市場も買い先行となりました。ただ、週末ということで手仕舞いの売り買いが中心となる相場展開であり、決算動向に反応して右往左往する銘柄も多いのですが、指数には方向感はみられませんでした。8500円台前半での動きが続き、8500円を割り込む場面もありましたが、そうした水準では買戻しが入り、8500円台半ばになると買いも止まって上値が重くなるという状況でした。結局終始方向感に乏しく、オプションSQ(特別清算指数)算出ということにもかかわらず売買高も少なく盛り上がりに欠ける展開となりました。

 相変わらず方向感に乏しい展開が続いています。日経平均も8500円〜600円水準の節目での底堅さを確認するような格好であり、相場全体には方向感に乏しい展開となっています。昨日は月に一度のミニセミナーだったのですが、やはりお話を聞いていると塩漬けになった銘柄が多く二進も三進もいかず、銘柄を入れ替えた方がいいのでしょうかという質問も多く受けました。ただ、今のような相場であれば、おそらく塩漬けとなっている銘柄は今が底値圏という銘柄が多く、また、今のように中長期的に見ると上がる銘柄と上がらない銘柄があるというよりも、上がるときは皆上がり、下がるときは皆下がるという相場であり、銘柄入れ替えの効果は薄いと思われます。

 塩漬け株を担保に信用取引で取り返そうと思って、今度は信用取引で買ったものが塩漬けになるということも多いのではないかと思います。信用取引をするときは、必ず、損切りの水準、あるいは日柄を決めておくということが大切だと思います。そして、一つの方法としては信用取引は売りしかやらない、などという方法もあるかもしれません。また、塩漬け株をほぐす方法としては信用取引で保有している銘柄を空売りするという手もあります。そうすれば、下がれば買戻し、上がれば現物を渡すという手もできるのです。

 しかもその信用取引で売るときに半分だけ売るという手もあります。10000株持っているのであれば、信用取引で5000株だけ空売りするということです。こうした膠着相場であり、方向感に乏しいときは、飛び乗り飛び降りもきっちりと降りるところを考えておかないと結局塩漬けを増やすだけということになってしまいます。先日お知らせしたように、先物やオプションの取引を組み合わせるという手もありそうです。詳しくはこのメールに返信いただければご連絡いたします。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


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