鈴木:今の若者は「保守化」「草食化」などと言われています。しかしそうした分析は、「読み間違っているのでは」と感じています。
例えば「今の若者は海外旅行に行かない」と指摘されると、「昔と今は条件が違うので」と答えることができる。でもその前に、海外旅行に行かないことが問題であれば、「海外旅行に行かせるためにどうすればいいのか」――このことを考えることが大切です。
津田:そうですね。
鈴木:「今の若者は草食化している」ということが問題であれば、どうすれば肉食化できるのかを考えてほしい。要するにどうすればできるのかという「How」の部分が抜け落ちているんですよ。なので文句を言うだけで、終わってしまっているんです。
一方、文句を言われる側も言われるだけなので、「分かってねえなあ」といった感じで終わってしまう。
「How」のことを考えるのは、本来楽しいはず。起業したり、人と関わるというのは「How」の部分を考えるということ。もちろん失敗することもあると思いますが、「How」の部分を考えることは基本的な価値観だと思うんです。中高年の多くは、この「How」の部分が抜け落ちているなあと感じています。
津田:なるほど。
鈴木:また「中高年の人たちの語り方にも問題があるのかなあ」とも思っています。彼らは、難しいことを「What」で語るのが好きなんですよ。「これは何か」と聞かれ、分析するのはとても好き。しかし「どう使うか」「どうするのか」という話は、俗っぽいので嫌い。「ちょっと程度の低い話ではないか」と見ているのかなと。
逆に若い世代は「What」の話よりも、「How」の話に興味を持つ人が多い。なので中高年の人たちは、もっと「How」の部分を語ってほしいなあと思っています。
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