上値の重さから見切り売りも嵩んで軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年02月03日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株はまちまちで方向感に乏しく、日本市場も若干売り先行となったものの底堅く、堅調となる場面も見られるなど指数は小動きとなりました。為替も大きな動きはなく、決算動向に一喜一憂する動きはあるのですが、指数に方向感はみられません。決算に絡む動きを含めて、週末ということで手仕舞いの売り買いが中心となっており、方向感を持っての売り買いが少なく、方向性がみえてこないのだと思います。

 日経ジャスダック平均が13連騰となりましたが、盛り上がるということもありません。主力の銘柄の中でも低位株を含めて、日替わり的に値動きの良い銘柄が物色されているのだと思います。それでも、13連騰となると過熱感が出るはずなのですが、日替わりで物色されているものだから、指数の上昇の割には過熱感が出ていない感じです。

 決算発表に反応しているようでいて実は決算の内容に反応しているのではなく、決算発表を受けての株価の動きに反応しているような感じです。好決算を発表しても買われるものと好材料出尽くしとなってしまうものとがあり、この水準では割安感があるから芳しくない決算でも買われるということでもなく、決算が発表されてから買われたから買うというような感じです。単に週末の手仕舞いの買い戻しであっても決算に結びつけられて「出尽くし」として買われるということなのだと思います。

 ただ、いずれにしても目先の値動きを追いかけるような投資(投機?)でも買い方の回転が効いていることは確かで、さぁ次は何だとばかりに値動きの良い銘柄に飛びついてはさっさと利益を確定しているということだと思います。これだけ相場全体の方向感がみえないところでは割安銘柄をじっくりと拾っておくか、あるいはこうした目先の値動きについて行くということしかないのだと思います。動き出してから乗る、動いているうちに降りる、ということをしっかりと守って売買していれば良いのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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