月末のお化粧買い期待もあって一時大幅高となるも手仕舞い売りに押されて上げ幅縮小清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2012年02月29日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 昨日の堅調な地合いを引き継ぐかのように、堅調な始まりとなりました。米国株も堅調となったことや為替も落ち着いていたことなどから買い急ぐ動きもみられたものと思います。外国人は株数は売り越し、金額は買い越しと持高調整の売り買いが中心とみられたのですが、円高が進まないとなると割安感が強まる銘柄も多く、買い直しの動きから大幅高となりました。先物主導で指数を押し上げた面はあるもののセンチメントの好転もあって値持ちの良い展開となりました。

 エルピーダメモリ(6665)は昨日のストップ安から本日は値幅制限が撤廃されたことで5円で寄り付き、その後は反発となるなど「マネーゲーム」の対象となり、売買高も大きく膨らみました。売買高や売買単価には影響もあるものと思われますが、日経平均には採用されておらず、指数への影響はほとんどないということになるのでしょう。それでも、破たん前の株価に比べると100%に近い下落であり、AIJ投資顧問の運用ではないですが、大きなダメージを受けた投資家もいるのではないかと思います。昨年の大震災の時も先物やオプションで大きなダメージを受けた人も多く、こうした「危機対応」ということも必要ではないかと思います。

 昨年の大震災の時に東証も大証も取引を止めることをしませんでしたが、止めた方がよかったのではないかとの意見も出ていました。もちろん、止めなくて良かったのだと言う意見もあるのでしょうが、個々の企業の震災の影響などがわかるまで取引を止めれば無用な混乱は避けられたのではないかと思います。今回のシステム障害にしても、誰も何もいいませんが、売買が止まった銘柄の指数に与える影響なども勘案すれば、いったん全てをストップするということも必要であったのではないかと思います。

 大震災のようなことがしょっちゅうあっても困るのですが、「何か起きたとき」のための対処はしておくべきだと思います。インターネット証券などのシステム障害は少なくなりましたが、ヘッジのために複数の証券会社で取引するとか、いろいろなことを想定し、「想定外」のことにでも対処できるようにしておいた方が良いと思います。リーマンショックなどのようなときでも「もうそろそろ大丈夫」と思って力いっぱい買いに出てやられてしまったケースなどもありましたが、そこは冷静にいつでも「まだ」と「もう」の事態を頭に入れて何がどうなったらどうするということを決めておくことは必要だと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤

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※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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