鹿島区の一角に仮設住宅と仮設商店街があった。
駐車場に自家用車を停める。午前10時すぎという時間にも関わらず、既に暖簾(のれん)がかかっている。さほど広くない店内には、既に3組ほど先客がいた。テーブル席についた途端、接客係の女性が声をかけてきた。
「わざわざ東京から食べに来たの?」
自家用車のナンバーをチェックしていたのだろう。うなずくと、満面の笑顔が返ってきた。注文した中華そばを待つ間、私は三条市長にインタビューした経緯、そしてどうしても小高の地元民が愛した麺を食べたかったと旨を告げた。
調理場のカウンター奥から、女性店主が顔を見せてくれた。
第一声はこれだった。
「國定市長、お元気?」
國定市長とは昨年のインタビュー以来会っていない。ただ、ブログを通じ、若手政治家が精力的に飛び回っていることは知っていたので、その話を伝えた。
この間、調理場にいた他の女性スタッフも一斉に國定市長の名を口にした。このうちの1人が私の座る席の奥、壁を見るように教えてくれた。同市長が仮設商店街を訪れた際の写真が貼られていた。
「市長に会うときがあったら伝えて。近いうちに必ず三条にお礼言いに行くって」
麺を大鍋からすくいながら、女性店主が言った。
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