1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『震える牛』(小学館)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo
11月14日、野田首相が自民党の安倍総裁との党首討論の最中、解散日程を提示するという一幕があったことは多くの読者がご存じの通り。衆院解散後の“第三極”の動向も交え、異例の発言以降永田町が騒がしい。首相の真意や総選挙の予想などは他稿に譲るとして、異例の発言を伝えた主要メディアの速報に焦点を当てる。結論から言えば、“はしょりすぎ”の稚拙な速報が目立ったのだ。
11月14日の午後、私は小説執筆の作業を一段落させ、Twitterのタイムラインを漫然と眺めていた。すると注目トピックの中に「一六日」「解散」の文字があることに気付いた。
キーワードを辿ると、真っ先に毎日新聞の速報見出しがヒットした。
野田首相「一六日に解散」表明 党首討論で――(毎日新聞)
年内か年明けか。衆院解散は一大トピックだったのは間違いない。だが、長年通信社に勤務した経験に照らせば、日付指定して解散を宣言するなど、前例がない。私は他の速報もチェックした。すると、時事通信社の一報をYahoo! ニュースのヘッドラインに見つけた。
野田首相「一六日に解散してもいい」=自民が定数削減確約すれば
結果として、自民サイドが首相の提案を飲み、11月16日に衆院は解散。12月4日公示、同16日投票が決まった。だが、ちょっと待ってほしい。毎日の速報はいささか“はしょりすぎ”ではなかったか。もう一度ヘッドラインをチェックすると、他にも同じような速報が現れた。
首相「一六日に解散してもいい」安倍総裁との党首討論(朝日新聞デジタル)
党首討論 野田首相「一六日に解散してもいい」(産経新聞)
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