就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。
使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。
クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』がある。
個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントに辛いです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
「今回は2013年の連載1回目ですね。正月はおいしい食べ物がたくさんあって、どの写真をお送りしようか迷ってしまいました」と、おいしそうな写真が貼付されたメールが編集長の吉岡綾乃さんから届きました。いや、おいしい食べ物があれば、差し入れてくださるとか、せめて一緒に食べていただけると私としては嬉しいのですが。写真だけ見せられてもなあ……と、日頃の読者の皆さんと気持ちを同じくしつつ、この連載のこんなテイストに、今年もよろしくお付き合いくださいと、心より願う次第なのです。お年玉代わりというのも変ですが、たまには真面目に「ちょっとした未来予想図」の話を。
就活といえば、就職活動の略。つまり「職に就くための活動」なのですが、多くの場合は、学生が卒業後の進路を決めるための動きを指す言葉になってしまっています。しかし本来は転職したい人でも、休職していて再び働きだしたい人でも、職に就くための行動をしている人は、すべて就活しているといってもいいはずです。その「就活スタイル」に変化が起きていることをご存じでしょうか。
かつて、就活の方法としては「公募」と「斡旋」が一般的でした。公募とは文字通り、求人を募集するためにその情報を広く公開し、応募者を集めるという仕組みです。新聞や折り込み広告、求人サイトなどがこれに当たると考えてください。斡旋とは、求職者が人材紹介会社に登録をして、求人をしている企業に紹介してもらう仕組み。自分で仕事を探すか、プロに依頼して仕事を探してもらうか、どちらかのスタイルを選択するのが、いわゆる就職活動だったのです。しかし、いま「第三極」が生まれつつあります。
その大きな流れを作っているのが「ソーシャル」とか「ソー活」などと呼ばれるスタイルです。方法はさまざまですが、その多くは人と人とのつながりを利用して、仕事を探している人と働いてくれる人を求めている企業を結びつけるという構造になっています。FacebookやTwitterといったソーシャルネットワークサービス(以下、SNS)が発達して、人のつながりが可視化される時代だからこそ、できるようになった仕組みだといえるかもしれません。友人を紹介したら多額の礼金がもらえる、といううたい文句で勢いを感じさせるサービスになっています。
これらのサービスを利用すると、仕事に就きたいと考えている個人と、働いてくれる人を探している企業の双方に、大きなメリットがあります。まず個人側のメリットとしては、就職活動が楽にできるということ。これはとても大きなポイントです。例えばSNS上で「転職したい」と書いておくことで、それを見た友人が「彼は仕事を変わりたいと考えているのか」と認識してくれたとします。そんな時に、親切な友人なら、SNS上で求人している企業を偶然見つけて「こんな会社が募集しているよ」と紹介してくれることもあるでしょう。あるいは「知人の会社で働いてくれる人を探しているようなんだけど、どう?」なんていう話を持ってきてくれるかもしれません。自分だけで就職活動をしていても、その企業の募集とは出会わなかったかもしれませんが、友人に知らせることで「視野が広がる」可能性があるのです。
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