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» 2013年04月12日 08時01分 公開

北総鉄道と同じ轍を踏む? 日本一安い運賃「北大阪急行電鉄」が値上げする日杉山淳一の時事日想(5/6 ページ)

[杉山淳一,Business Media 誠]

乗客の心理を読めていない

 ……と、これはあくまでも新箕面、箕面船場駅まで「徒歩で到達できる人」の場合だ。両駅までバスで行くとなれば、従来のバス+鉄道の運賃に、そのまま新鉄道路線の加算運賃が上乗せされる。現在はバスと鉄道で梅田まで560円。そこに新鉄道路線運賃が加わって660円以上。これでは「やっぱり千里中央までバスで行くか」となりそうである。

 さらに、新箕面まで延伸した時点で新たな比較対象が浮上する。阪急箕面線だ。阪急グループの始祖となった路線である。運行本数は少ないものの、通勤時間帯は阪急宝塚線へ直通運転している。全区間が阪急だから運賃は1社の体系のみ。箕面から梅田までは260円である。箕面までバスに乗っても470円。この差は大きい。所要時間は約30分でちょっと長い。しかし、どうせ駅までバスで行くなら、新箕面駅よりも阪急線の箕面駅に出たほうが安く済む。

 こういう乗客の心理を読めていないようで、北大阪急行線延伸整備計画では「千里中央駅利用者が新路線の駅に移転する」「阪急箕面線の利用客がこちらに来る」などと予測している。これはどんな調査の結果なのだろう。しかも「新線開通で阪急箕面線の利用客が減るから、阪急にも配慮しなくては」という内容もある。所要時間もほとんど変わらないというのに、阪急ユーザーがわざわざ運賃の高い路線に乗り換える理由とは何だろうか。

新線開業による旅客の変化予測(出典:箕面市)

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